【話題】地下アイドル危険にさらす暴走ファン「ピンチケ」の実態　イベントは無法地帯

オムコシ ★

　東京都小金井市で、亜細亜大３年のアイドル、冨田真由さん（２０）が刺され、意識不明の重体となった事件が波紋を広げている。傷害容疑で逮捕された岩埼友宏容疑者（２７）＝殺人未遂容疑などで送検＝のストーカー行為を野放しにしていた警察への対応に批判が集中する一方、アイドルブームの裏側に潜むリスクも浮き彫りに。イベント会場などで「暴走したファンによるトラブルが頻発している」（業界関係者）というのだ。

　冨田さんは、テレビ出演やＣＤ発売などをせず、ライブを中心に活動する「地下アイドル」だった。「ライブアイドル」とも呼ばれる彼女らの出演イベントは都内各地で開催され、多くのファンが駆けつける。

　岩埼容疑者もその１人だったとみられるが、やがて一方的にプレゼントを送りつけたり、冨田さんのツイッターやブログに「殺したい」「犯罪します」と脅迫めいた書き込みをしたりするストーカー男に変貌。冨田さんに凶刃を振るった。

　業界では以前から、こうした事件を危惧する声が上がっていた。芸能プロダクション関係者は「ライブアイドルが出演するイベントは無法地帯。ファンが暴走し、アイドルや運営側ともめるケースが頻発しており、いつかこんな事件が起きるんじゃないかと思っていた」と声を潜める。

　多くのイベントで、ライブ後に出演したアイドルと直接触れ合える「特典会」「物販会」と呼ばれる時間があり、記念撮影などが行われる。トラブルの多くはここで発生する。

　「いきなり婚姻届を持ってきたり、『いつデートしてくれるんだ』と迫ったり。ツイッターなどのＳＮＳで連絡先を聞き出してアイドルに手を付けてしまう輩もいる」（先の関係者）

　ライブ中にマナーを無視して暴れる「ピンチケ」というファンも少なくない。

　「ピンチケ」とは、某人気アイドルグループのイベントで配布される中高生向けの割安チケットを指す。そこから転じて、アイドルにちょっかいを出す目的で会場を渡り歩いたり、ルールを無視した行動を繰り返したりする者らへの蔑称として使われている。

　そのピンチケが徒党を組んで会場で大騒ぎし、他のファンとのもめ事や暴力沙汰に発展することもある。

　なぜ、こんな状況になっているのか。

　「地下アイドルが供給過多で、価格破壊が起きているのも一因。イベントの入場料３００～５００円と、追加で１０００円程度を払えば誰でも直接触れ合える。ファンとの垣根がなくなり、ストーカー被害などのリスクが増えている」（同）

　身近さが売りのアイドルにとって、今回の事件はひとごとではない。

http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20160527/enn1605271140006-n1.htm

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