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【細胞生物学】赤血球からミトコンドリア除去の謎解明

1 :Cancer ★@\(^o^)/:2014/06/06(金) 23:48:02.87 ID:???.net
赤血球からミトコンドリア除去の謎解明

掲載日:2014年6月6日

赤血球には細胞内呼吸を担う小器官のミトコンドリアがない。赤血球が分化、成熟する
過程で、ミトコンドリアや核を取り除いて、酸素を体内に運ぶ役割に特化するためと
みられている。この赤血球からミトコンドリアが除去されるのは、新しいタイプのオート
ファジー(自食作用)によることを、東京医科歯科大学難治疾患研究所の清水重臣(しみず
しげおみ)教授と本田真也(ほんだ しんや)助教らが解明した。愛媛大学との共同研究で、
6月4日付の英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。

研究グループは2009年にマウスの培養細胞で、通常のAtg5遺伝子が関わるオートファジーとは
異なる、新しいタイプのUlk1遺伝子関与のオートファジーを見つけている。Ulk1遺伝子の
発現を止めて新しいタイプのオートファジーが起きないようにしたマウスを作製したところ、
その赤血球の中にミトコンドリアが大量に残っていた。野生型やAtg5欠損のマウスでは、
赤血球からミトコンドリアが正常に除かれていた。

この実験結果を基に研究グループは「新しいオートファジーが働いて、赤血球からミト
コンドリアが除かれる」と結論づけた。Ulk1欠損マウスでは、ミトコンドリアが残る
赤血球にストレスが加わってもろくなり、早く消失して貧血になることも確かめた。

清水重臣教授は「赤血球が成熟する基本原理の一端をつかめた。この知見は貧血などの
血液疾患の病態解析や治療に応用できる可能性がある。新しいタイプのオートファジーが
生体の中で機能していることがわかったのは今回が初めてだ。オートファジーも多様で、
さまざまな生体現象に関与しているのではないか。そうした研究の突破口になる」と意義を
指摘している。

図1. 赤血球の分化、成熟の様子
http://scienceportal.jp/news/newsflash_review/newsflash/img/140606_img1_w500.jpg

図2. 哺乳動物に見られる2種類のオートファジー
http://scienceportal.jp/news/newsflash_review/newsflash/img/140606_img2_w500.jpg

図3. マウスの赤血球の顕微鏡写真。
通常のオートファジーが起きない赤血球(左)ではミトコンドリアが正常になくなっているが、
新しいタイプのオートファジーが起きない赤血球(右)では、ミトコンドリアが除かれていない
http://scienceportal.jp/news/newsflash_review/newsflash/img/140606_img3_w500.jpg

ソース:サイエンスポータル(2014年6月6日)
赤血球からミトコンドリア除去の謎解明
http://scienceportal.jp/news/newsflash_review/newsflash/2014/06/20140606_01.html

原論文:Nature Communications
Shinya Honda, et al. 2014. Ulk1-mediated Atg5-independent macroautophagy
mediates elimination of mitochondria from embryonic reticulocytes
http://www.nature.com/ncomms/2014/140604/ncomms5004/full/ncomms5004.html

プレスリリース:東京医科歯科大学(2014.6.4)
「赤血球からミトコンドリアが除かれるメカニズムを解明」【清水重臣 教授】
http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20140604.pdf (PDF)

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