【アメリカ】黒人青年射殺、日常的に受ける「差別」や「嫌がらせ」に噴出した怒り…州外から遠征し、憎悪を煽る扇動者の存在も[08/24]

Hi everyone! ★

　米ミズーリ州で起きた黒人青年射殺事件は、その後２週間で警察に抗議する黒人２００人以上が逮捕される騒ぎに発展した。
根底にあるのは、人種問題という米国社会が今も抱える闇だ。デモは沈静化しつつあるが、司法判断によっては再燃する危険
がある。騒乱の原因と実態を探った。【ファーガソン（米中西部ミズーリ州）で草野和彦】

　人種差別を禁じた公民権法の成立から５０年を経ても、差別はなくならない。日常的に受ける「偏見」や「嫌がらせ」への不満は、
黒人住民の心におりのようにたまり、９日に丸腰のマイケル・ブラウンさん（１８）が白人警官に射殺されたのを機に一気に噴出した。

　デモ隊の一部は暴徒化し、商店を破壊した。放火されたバーベキュー店で、黒人経営者のハークさん（５０）は、焦げたイスや
割られた鏡を黙々と片付けていた。「黒人と白人が同時にスーパーマーケットに入ったとする。万引き防止のため、店員から後を
付けられるのは、黒人だけだ」。ハークさんは暴徒に同情的だ。「彼らが、放火に走るほどの欲求不満をため込んでいたのは
理解できる」

　別の黒人男性（３３）も、家族で自宅庭でバーベキューをしている間、近くに止まったパトカーの中の警官からずっと「監視」された、
と訴えた。

　他方で、住民の多くは平和的なデモを望んでいた。家具運送業のアラブラン・レイズさん（３３）は「警官を殺せ」などの言葉を
連呼する男たちに気づき、「これは警察に公正さを求めるデモだ」と注意。だが、逆に「警察と戦いたいんだ。デモに参加して何が
悪い」と食ってかかられた。

　警察が「外部からのアジテーター（扇動者）」と呼ぶこうした男たちは、警官隊への火炎瓶攻撃や店舗での略奪を主導している
可能性があり、重点的な取り締まりの対象となっていた。事件発生から２１日までに警察に身柄を拘束された２０４人のうち、
ファーガソンの住民はたった９人。大多数は州内の他の都市から、３５人はカリフォルニアやイリノイ州など州外からの遠征組
だった。

　米軍で使用されなくなった軍備品の提供などで、警察が「軍隊化」したことも衝突拡大の原因の一つだ。デモ隊の挑発に、
警官隊は、装甲車や催涙弾を使って「過剰反応」し、さらに反発を招いた。

　ミズーリ州の大陪審では２０日、警官を起訴するかどうかについて判断する審理（非公開）が始まった。遺族や住民らは殺人罪での
起訴を望んでおり、無罪評決となれば、５３人の死者を出した１９９２年のロサンゼルス暴動のようなデモの再燃・過激化の恐れもある。

　審理で争点となる射殺時の状況は、警官とブラウンさん側で主張が大きく食い違う。陪審員は、セントルイス郡検察官が提出する
証拠に基づき判断するが、この検察官は白人で、警官だった父親が黒人に射殺されている。親族の多くが警察関係者でもあり、
公正さが期待できないとの声が住民から上がっている。

　同日、黒人のホルダー司法長官が現地入り。警察とは別に「完全で公正な」捜査を進めていることを強調した。今回のケースでは
殺人罪での訴追は州法に基づいて地元の司法機関が行い、司法省は警官の行為が差別を禁じた公民権法に違反しているかを
調べる。ただ、立証の壁は高い。

　警官個人の法的責任が問えない事態も想定し、司法省はファーガソン警察を公民権侵害の捜査対象とすることも検討している。
米メディアによると同警察は近年、過剰に武器を使用したなどとして何度か提訴されている。２０１１年９月には、路上で叫んでいた
精神障害を持つ黒人男性に対してスタンガンを使用し、男性は死亡。公民権侵害は同警察の構造的な問題であることを指摘できれば、
改善を要請することができる。

　過去にもこうした例はある。司法省は今年４月、西部ニューメキシコ州のアルバカーキ警察について、０９年以降の警官による２０件
の射殺事案の大半は武器の過剰使用であり、違憲行為とする報告書を発表。同警察は今年７月、武器使用などの改善措置について、
裁判所や地域社会の監視を受け入れた。

ソース（毎日新聞）　http://mainichi.jp/select/news/20140824k0000m030136000c.html?inb=ra
（※スレ立て時　8/24　08：48時点で全文確認済）