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産経抄ファンクラブ第201集

784 :文責・名無しさん:2014/10/15(水) 09:53:50.48 ID:6hs6YYx00.net
2014.10.15 05:06

 今年8月に訃報が届いた中央大学名誉教授の木田元(げん)さんが、東北大学哲学科に入学したのは、21歳のときだ。
ドイツの哲学者、ハイデッガーの『存在と時間』を読みたい一心だった。

 ▼ところが木田さんは、大変なことに気づく。その思想をきちんと理解するためには、カントもヘーゲルもプラトンもアリストテレスも読んで、
つまり西洋哲学全体を勉強しなければならない。結局、ハイデッガーについての著作を出すまでに、30年を超える月日が過ぎていた。

 ▼広島市出身の糸谷(いとだに)哲郎さん(26)は、大阪大学文学部から大学院に進み、現在、その難解なハイデッガーの哲学を研究している。
といっても、本職は将棋の棋士である。しかも並の棋士ではない。高校3年生でプロになって以来、ユニークな言動と創造的な戦法で注目されてきた。

 ▼デビュー戦を飾った後、対局相手があまりの強さに「怪物だ」と感嘆の言葉を漏らしたとの逸話も残る。
それで「怪物くん」の異名がついた糸谷七段は今月、ついにタイトル戦の初舞台を踏む。16日から、竜王戦の挑戦者として、森内俊之竜王(44)との七番勝負に挑むことになった。

 ▼「ヘボな詰将棋屋」を自称していた哲学者の廣松渉(ひろまつ・わたる)さんは、哲学の思索は、将棋の「手を読む」のと似たり寄ったりではないか、とエッセーに書いていた
ただ、将棋と違ってルールも定跡もない哲学の本領は、「体系的なゲームを新規に案出することにある」ともいう(『哲学とヘボ将棋』)。

 ▼2つの世界はやはり、本質的には大きな隔たりがあるようだ。にもかかわらず、糸谷さんは両方とも極めようとしている。
こんな「怪物くん」が、さまざまな分野で現れるようになったら、日本はもっと元気になるだろう。

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