811日、島豆腐を食べ続ける経営者…なぜ止めない？【沖縄】 [少考さん★]

少考さん ★

811日、沖縄の豆腐を食べ続ける経営者　家族からクレーム、なぜ止めない？ | ウェブオリジナルPlus | 沖縄タイムス
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2023年1月16日 6:00　照屋剛志（てるやたけし）

　2年前の2021年10月2日（豆腐の日）から、豆腐を毎日食べ続けているウチナーンチュがいる。県外とは異なり、できたてのアチコーコー（熱々）がおいしいとされる沖縄の島豆腐。那覇市で食品検査会社を経営する伊志嶺哉（ちかし）さんが島豆腐を欠かさず食べて、1月16日で811日目を迎えた。「島豆腐を取り巻く環境は厳しい。沖縄独自の食文化を応援したい」と伊志嶺さん。島豆腐を取り巻く環境とは？　挑戦はいつまで続く？　（東京報道部・照屋剛志）

　「アチコーコー豆腐を守るためのチャレンジです」

　１月11日に投稿された伊志嶺さんのFacebookには、島豆腐を材料にした「肉豆腐」の写真とチャレンジを続けた日数「806日目」が載っている。
　アチコーコーとは、熱々の状態を指すウチナーグチ（沖縄語）で、できたての料理を表す時などに用いられる。水にさらし、冷やして売り出す県外とは異なり、沖縄の豆腐はできたてがおいしいとされ、熱々で販売することが多かった。
　伊志嶺さんは「熱々で食べるのは沖縄だけ。独自の食文化といえる」とする。沖縄の豆腐はしっかりと水を切るため重量があり、一丁の重さが800グラムから１キロと県外の約3倍あるのも特徴。「味が濃く、大豆本来の味わいを楽しめる。アチコーコーは、さらにこくが出る」という。

豆腐チャンプルーなどの炒め物から、小魚の塩辛を冷や奴の上に乗せたスクガラスまでメニューは多彩。固める前のおぼろ状のものは「ゆし豆腐」といい、スープや沖縄そばの具材にも使われる。那覇市の1世帯当たりの豆腐支出額は全国トップ（2021年総務省家計調査）で、島豆腐は県民にとって欠かせない食材だ。

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　一方、食の多様化で島豆腐の消費は減少傾向にある。最近では原料となる大豆が高騰。県内の豆腐店は、小規模事業者がほとんどを占めており、高齢で跡継ぎのいない豆腐店の廃業も出ているという。

　さらに大きな転機となったのが、2021年6月に実施された食品衛生管理の国際基準「HACCP（ハサップ）」の義務化。島豆腐に対し、温度が55度を下回ったら3時間以内に消費するか、冷蔵保存するルールが適用された。アチコーコーの島豆腐を店頭で売る時間が短くなり、売り上げに影響が出る上、冷蔵保存用の商品を作るのに新たな投資が必要となる豆腐店もあった。

　伊志嶺さんは、食品検査会社「クロックワーク」の代表としてHACCPの義務化に向け、島豆腐に関する製造・管理の手引き書作りに携わった。大学教授や、島豆腐店が加盟する沖縄県豆腐油揚商工組合の役員らと多角的に議論。大豆に付着している雑菌が増殖して危険な状態になる前の、温度が55度を下回ってから3時間を基準にした「科学的な根拠を基に、合理的な手法を取り入れた」（伊志嶺さん）ルールだった。制作を管轄するのは厚生労働省。水にさらして冷蔵保存するのが常識の県外の人たちにアチコーコーの島豆腐を認めてもらうぎりぎりのラインだった。
　伊志嶺さんは「アチコーコー豆腐の文化を守れた」と安堵（あんど）した。

　だが、豆腐店からは悲観的な声が相次ぐ。消費低迷、原料と燃料の高騰、高齢化、後継者不在など、豆腐店にとって深刻な経営環境の中でのルールの厳格化。事業規模が小さいほどに苦しさは深まり、「店がつぶれてしまう」と訴える経営者もいた。
　伊志嶺さんは「食中毒などの被害を出しては元も子もない。衛生管理ルールは守るべき。でも豆腐店の言い分も理解できる」。何か自分にできることはないかと考えた結果、島豆腐を毎日食べることを思いついた。「ＳＮＳで発信すれば、多くの人に島豆腐のおいしさを知ってもらえるかもしれない」との期待もあった。

　そして2021年10月2日、語呂合わせで豆腐の日から、伊志嶺さんの挑戦が始まった。初めの頃は、豆腐チャンプルーやマーボー豆腐などのおかずを夕飯に食べていたが、（略）

※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。