【兵庫】神戸事件で切腹、藩士の刀　子孫が継承「関心を」[12/31]

のっぺらー ★

２０１７年１月１日に開港１５０年目を迎える神戸港。
開港直後、神戸・三宮で備前岡山藩兵と外国水兵が衝突した１８６８年の「神戸事件」で、
責任を負わされた同藩士・瀧善三郎が切腹に使った脇差しを、子孫の瀧章（あきら）さん（８５）＝神戸市垂水区＝が守り続けている。
刀剣の専門家は「無銘の刀だが、歴史的事件の貴重な資料として価値は高い」とする。
（小西隆久）

事件は１８６８年２月、神戸・三宮で、同藩の行列を横切ろうとしたフランス軍水兵を藩士がやりで突き、銃撃戦となった。
新政府は善三郎に切腹を命じ、同年３月、善三郎は現在の兵庫区にあった永福寺（戦災で焼失）で切腹し果てた。

備前長船刀剣博物館（岡山県瀬戸内市）によると、
脇差しは江戸時代中後期の作で全体に黒の漆が塗られ、刃の長さは３９・３センチ。
柄には桐紋のボタン目抜きが施されている。
作者は不明だが、植野哲也学芸員は
「確かな子孫が保管しており、刀が作られた年代などからも善三郎の刀で疑う余地はない」と話す。

章さんによると、善三郎には２人の子どもがいた。
善三郎の死後、長男成太郎には切腹に使った脇差し、長女いわに善三郎の介錯（かいしゃく）に使われた刀が残されたという。

善三郎から数えて５代目の章さんだが、父盛道さんから事件にまつわる話を聞いた記憶はない。
瀧家では長らく「（事件について）言うな、書き残すな」との言い伝えが残っていたと、
善三郎のひ孫に当たる章さんの母龍子さん（故人）が教えてくれたという。

章さんは、善三郎が妻と子ども２人に残した遺書も掛け軸にして保存する。
遺書では長男に忠孝の道を、長女に女性としての心得をそれぞれ説き、辞世の句も詠まれている。

事件では、衝突を機に仏英軍が当時の神戸村を占領。
外国列強の要求に応じ、明治新政府は事実を十分に調べず、発砲を命じた藩士の処罰を決めたとされる。
章さんは、今も事件が正しく伝わっていないとし、
「当時の日本の命運がかかった大事な事件。神戸開港１５０年を機に事件への関心が高まってほしい」と期待する。

脇差しの保全や管理が難しく、章さんは神戸市立博物館（中央区）などで保管してもらうことも検討している。

【神戸事件】
１８６８年２月４日昼、神戸・三宮神社前で、
明治新政府から西宮藩の警護を命じられた備前岡山藩士の一行が、行列を横切ろうとしたフランス軍水兵らと衝突。
新政府は伊藤俊輔（博文）らが対応に当たり、同藩士瀧善三郎に切腹を命じた。
新政府が直面した初めての外交事案とされる。

写真：神戸事件の責任を負わされた備前岡山藩士・瀧善三郎が切腹に使った脇差しと、子孫の章さん
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/img/b_09793272.jpg
写真：永福寺本堂で切腹した瀧善三郎を描いた図
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/img/b_09793273.jpg

以下ソース：神戸新聞　2016/12/31 06:50
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/0009793270.shtml

【兵庫】神戸事件で切腹、藩士の刀 子孫が継承「関心を」[12/31]

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