【東京】３０年続くラッコ展示終了…サンシャイン水族館[02/23]

のっぺらー ★

１９８４年に始まったサンシャイン水族館（東京都豊島区）でのラッコ展示が２９日、その歴史に幕を下ろす。

飼育されていた２頭のうち、メス１頭が１月に病死し、残ったオスは繁殖を目指して他の水族館に移される。
国内で飼育されているラッコは、ピークの９４年には１２２頭いたが、繁殖の難しさなどから現在は１４頭に減っている。

「ラッコいなくなっちゃうの」。
１８日午前、水族館を訪れていた最勝寺みのり保育園（練馬区）の園児が水槽の前で声を上げた。

引率していた坂巻優子さん（３８）は
「ここでラッコを初めて見たのは小学生の時。水槽の前には何重にも人垣ができるほどの人気だった。
　見られなくなるのは寂しい」と、展示終了を残念がる。

◆米から４頭

日本動物園水族館協会などによると、国内でラッコの飼育が始まったのは８２年。
サンシャイン国際水族館（当時）には８４年１０月に米アラスカ州から４頭がやってきた。
それまで年間１００万人前後だった入館者数は、ラッコ効果で８４年度には１４０万人まで急増した。

愛らしい姿が人気を呼び、ピーク時には国内２８施設が飼育していたが、
ラッコは「お金も手間もかかる動物」（サンシャイン水族館）。
餌のイカは、１頭あたり１日約５キロ・グラム。
水槽の海水を冷たく、きれいに保つために、大型の浄化装置などが必要だ。

野生のラッコは乱獲などのため、生息数が減少。
国際自然保護連合は２０００年、絶滅危惧種に指定した。
アメリカ、ロシアからの輸入が止まっており、国内の水族館に新しいラッコが来る可能性は低いという。

◆繁殖難しく

国内の水族館での繁殖に期待がかかるが、
同館の飼育員、福井正志さん（３１）は「ストレスに弱い上、繁殖期がはっきりと分からない」とその難しさを指摘する。
子育ても上手とは言えず、同水族館ではこれまでに７頭の赤ちゃんが生まれたが、うち６頭は大人になるまで育たなかった。

同館はメスの「ミール」のパートナーとして、１４年にアドベンチャーワールド（和歌山県）からオスの「ロイズ」を借り受けた。
２頭の相性はよく、交尾が確認されたが、妊娠には至らなかった。
ミールは病気のため、今年１月に１３歳（推定）で死んだ。

ロイズは、新たな飼育施設の準備が整い次第、移送される。
福井さんは「１０歳なのでまだまだ繁殖は可能。将来はロイズの子孫をサンシャインで飼育したい」と、
旅立つラッコにエールを送っている。

同館ではラッコ水槽の横に、３０年以上にわたる飼育の歴史を紹介するパネルを設置。
来館者がメッセージを書き込むコーナーも設けている。
同館は年中無休。
開館は午前１０時～午後６時。

写真：現在は１頭だけで飼育されているロイズ
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20160223/20160223-OYT1I50000-L.jpg

以下ソース：YOMIURI ONLINE　2016年02月23日 17時37分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160223-OYT1T50004.html