【商品市場】金需要、増加続く　7～9月期3%増　ETFなど伸びる

へっぽこ立て子＠エリオット ★

金の需要が増加している。金の国際調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシル（WGC）が5日発表した7～9月期の世界の需要は1107トンと、前年同期を3%上回った。米中両国の通商摩擦が長期化し、当時高まっていた景気減速への警戒感を背景に投資マネーが上場投資信託（ETF）に流入した。中央銀行の購入も過去最高のペースだった。

前年を上回るのは6四半期連続。伸びを支えたのは、投資家と中央銀行の活発な購入だ。貿易戦争のほか、英国の欧州連合（EU）離脱の動向の見極めにくさも重なり、金融市場の混乱による損失の回避に向けマネーが金に集まった。

世界のETFが価値の裏付けとして保有する金の需要（購入と売却の差分）は258トンと、前年同期に比べ362トン増えた。マイナス金利による運用難もあり、四半期ベースとしては16年1～3月期以来の大きさだ。

ETFにひも付く現物の残高も9月に2855トンと過去最高に達した。欧州債務危機で金融市場が動揺し、金の購入が増えた12年末を上回った。

各国の中銀も金買いを続けている。購入量は156トン。ロシア（34トン増）やトルコ（71トン増）、中国（21トン増）といった常連国に加え、アラブ首長国連邦（UAE）やカタールなどの中東諸国も金の購入に動いた。ロシアを筆頭に、ドル資産の持ち高を減らし金で穴埋めをした国が目立った。

中銀による1～9月の累積購入量は526トンに達し、金ドルの兌換（だかん）廃止以降最高を記録した18年を上回るペースを維持している。

金の値上がりで、宝飾品や地金・コインなど消費者需要は524トンと前年同期を3割下回った。ドルに対する新興国通貨の下落も響き、2大消費国の中国（25%減）やインド（32%減）の落ち込みが顕著だった。

2019/11/5 14:13
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51793940V01C19A1EE8000/

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