＜中国＞「ＴＨＡＡＤ」に報復　韓国からの輸入拒否、韓国ドラマの放映中止、韓国人アーティストのテレビ出演制限など

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170226-00000050-mai-bus_all

　【北京・赤間清広】在韓米軍の「終末高高度防衛（ＴＨＡＡＤ＝サード）ミサイル」配備に猛反発する中国が、韓国企業を狙い撃ちした報復と見られる行為を繰り返している。輸入時の検査強化や現地法人の税務調査などさまざまな手法を用い、韓国に揺さぶりをかけている。

　韓国・聯合ニュースによると、韓国がＴＨＡＡＤ受け入れを決めた昨年７月以降、中国に輸出された韓国製品に対し「品質基準を満たしていない」などとして中国当局が輸入許可を出さないケースが相次いでいる。輸入が許されなかった物品は、昨年１２月だけで化粧品計２．５トン、インスタントラーメンなど食品２０トン超に上る。

　中でも標的とされているのがロッテグループ。ロッテが所有するゴルフ場がＴＨＡＡＤ基地になると決まったためだ。ロッテは中国でも菓子などの製造販売を行っているが、中国国営新華社通信は１９日、ロッテがＴＨＡＡＤ配備に協力すれば「中国の顧客と市場を失うことになる」と警告する解説記事を配信した。それに先立つ８日には、中国・瀋陽で建設中のテーマパーク「ロッテワールド」について、中国側から工事停止を命じられたことが明らかになった。中国にある系列会社や工場などに対する税務調査、消防点検が強化されたとの情報もある。

　このほか、韓国ドラマの放映中止や、韓国人アーティストのテレビ出演、イベント開催の制限など「韓流」の締め出しも強化している。

　関係が悪化した国の企業や製品を狙い撃ちして揺さぶりをかけるのは、中国の常とう手段。韓国の尹炳世（ユンビョンセ）外相は１８日、中国の王毅外相との会談で「報復措置の撤回は、習近平国家主席が訴える反保護主義政策とも合致するはずだ」と述べ、是正を求めた。しかし、王外相はＴＨＡＡＤ配備に反対する立場を改めて表明し、溝は埋まらないままだ。

　今のところ、米国企業との間で同様の摩擦は確認されていないが、米国のトランプ政権は、輸入抑制につながる「国境税」を検討しており、ＴＨＡＡＤ配備とあわせて米中間の対立が激化する可能性もある。中国商務省高官は２１日の記者会見で、トランプ政権との通商関係について「米国が具体的な動きを起こせば内容を分析し、その結果に基づいて対応していく」と述べ、米国の出方によっては報復措置も辞さない考えを示した。

　◇＜韓国に対する報復的措置の例＞

・韓国製品に対する輸入時の検査強化

・ロッテグループが計画中のテーマパークに建設中止令

・韓国企業の現地法人に対する税務調査、消防点検などの実施

・韓国ドラマの放映中止、韓国人アーティストのテレビ出演制限

＜中国＞「ＴＨＡＡＤ」に報復 韓国からの輸入拒否、韓国ドラマの放映中止、韓国人アーティストのテレビ出演制限など

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