【運送】高速バス「ＴＨＥアクセス成田」　成田空港－東京駅・銀座駅「１０００円」の格安運行

海江田三郎 ★

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20151215/ecn1512150830004-n1.htm

成田空港へのアクセス手段としてすっかり定着した格安バス。成田空港～東京駅（八重洲南口）・銀座駅（数寄屋橋）を１０００円、
１時間ほどで結ぶ。東京駅発のＪＲ成田エキスプレスの東京－成田５６分、３０２０円と比べると割安だ。

　２０１２年８月、運行を始めた平和交通『ＴＨＥアクセス成田』はその先駆けだ。平和交通の持ち株会社である
ビィー・トランセホールディングスは、１９６４年に車輌５台で創業したタクシー会社がその発祥。
その後、乗合タクシーや深夜バスなどに進出して成長してきた。いわば「バス業界のベンチャー企業」。

　きっかけは、グループ会社の西岬観光が始めた千葉市～成田空港間の空港乗り合いタクシーで、
「成田空港から問い合わせがあった」と吉田平（たいら）代表取締役はいう。
　成田は、羽田の国際化で競争が激化、時間と料金のハンディに対し、対策を模索していたのである。
それを受け、同社が提案したのが格安バスだった。
　バス運行にはバス停の確保が必須。その手続きには、まずバス停を設置する土地の地権者の許可がいる。
　次に東京ならば警視庁のように、交通管理者の許可。その上で国交省の認可を得るのだ。
都心でのバス停の確保は至難の業だが、同社は千葉－東京・銀座の路線バスを運行しており、すでにバス停を有していた。

　しかし、「成田空港は先行の２社がバス停を持ち、他社が入れる隙がなかった」（金子孝取締役）。
成田空港にバス停を増設できるか、格安バス運行の可否はそこに絞られ、同社と空港、空港と先行２社、
関係行政機関の打ち合わせが何度も行われたという。
　成田空港発着の交通機関利用者は１日約４万人。それには空港に務める人間も含まれる。
そこに「半額以下のバスの便を提供することで、１日４０００人の新たな需要を創造できる」（吉田代表）と算出した。
金額もインパクトを考え、１０００円に設定した。
　千葉－東京の路線バスが格安実現の秘密だった。朝は上り、夕方以降は下りが満席となるが逆はガラガラ。
しかし、これを成田便と組み合わせることで、効率のいい運用ができるため、無理なく金額設定ができるのだ。

　同じ時期、成田空港にＬＣＣ（格安航空会社）の誘致が決まった。これが後押しとなりバス停設置が決まり、
１２年、運行が始まった。さらに１４年１２月、ＪＲ関東バスと提携、東京駅構内にバス停を持つことになり、利便性がさらに高まった。
　「お客さまのニーズに応えれば、バス事業は、まだまだ可能性がある」と吉田代表はいう。　（村上信夫）

【運送】高速バス「ＴＨＥアクセス成田」 成田空港－東京駅・銀座駅「１０００円」の格安運行

【運送】高速バス「ＴＨＥアクセス成田」　成田空港－東京駅・銀座駅「１０００円」の格安運行