【証券】野村ＨＤ、７月の個人新規口座開設が２倍強　トヨタ新型株で特需

海江田三郎 ★

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRGFS66K50XS01.html

　（ブルームバーグ）：野村ホールディングスの７月の個人顧客による新規口座開設のペースが、
昨年の２倍強に上っていることが関係者への取材で分かった。トヨタ自動車の新型種類株式の単独主幹事を務めたことで特需が生じている。
複数の関係者によれば、野村証券の全国159の本支店では７月１日から13日までに２万5000件以上の
個人投資家による新規の口座開設があった。１日当たり平均は約2800件で、前年度の平均約1300件を大きく上回っている。
野村は個人（リテール）営業部門の顧客資産残高の拡大を重要戦略の一つに掲げている。
株式委託売買や投信販売による手数料収入拡大のほか、さまざまな投資家層を抱える
幅広い顧客網へのアクセスにより、エクイティ関連の引き受けなど投資銀行業務の強化も目指している。
野村の山下兼史広報担当は、獲得した新規口座数などの詳細については、現時点では開示できないとして言及を避けた。
野村ＨＤの株価は14日１時45分現在、前日比42.4円（５％）高の897.6円と13年５月以来の高値水準で推移している。
日本郵政、ソニー
トヨタは６月、第１回ＡＡ型種類株式の発行を決議、発行上限を5000億円とした。単独主幹事を務める
野村証券には投資家の問い合わせや予約が殺到、新規口座開設のための来店客が急増した。
投資家の需要は発行上限の３倍から５倍に達したことがこれまでに分っている。
この新型株で投資家は譲渡制限で５年間は売却できないが議決権と配当を得られる。
その後は普通株に転換するか発行価格での換金を選べるため、貯蓄と投資の両面性を持った金融商品として人気を集めた。
開示資料によれば、１日当たり3000近い口座の獲得は少なくとも過去10年間では最高。関係者によれば、
個人投資家の口座開設が最も増加したのは、トヨタが発行価格を決定した７月２日前後だという。同種類株の申し込み期間は22日までとなっている。
野村は今秋にも実現する最大２兆円にも及ぶ日本郵政グループの新規株式公開（ＩＰＯ）の
グローバルコーディネーターに選定されており、トヨタでさらに拡充したリテール網を活用することができる。
また、ソニーも3000億円規模の公募増資を計画、野村は引き受け主幹事に就いている。

リテールとＩＢ業務
野村の永井浩二最高経営責任者（ＣＥＯ）は、リテール営業部門の顧客資産残高を2020年３月までに150兆円にすることを目指している
５月末時点では114兆9000億円。
国内営業部門は証券各社にとって収益戦略上、最重要ビジネス部門の一つだ。15年３月期の通期決算では、
野村ＨＤの同部門の税前利益は1618億円と、アセットマネジメントや投資銀行業務、トレーディングなど全体の47％を占めている。
トヨタの新型株は野村で過去最大規模のエクイティ案件となる。野村は09年に三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループの
公募増資１兆700億円のうち3000億円－4000億円規模を引き受け国内外で販売した。今回のトヨタ種類株はこれを上回る。

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