【企業】郵政グループ３社、東証上場を本申請　ＮＴＴ以来の大型ＩＰＯ　成長力の弱さ指摘も

海江田三郎 ★

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC30H1S_Q5A630C1EE8000/

日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の郵政グループ３社が30日、
東京証券取引所に株式上場を本申請した。1987年のＮＴＴ以来の大型新規株式公開（ＩＰＯ）が本格的に動き出すが、
市場には郵政グループの成長力の弱さを指摘する声がある。政治情勢しだいで経営環境が激変しかねないことも株主にはリスクになりそうだ。

　郵政３社の上場に対して投資家からは「10年後に目指す会社像がまだ見えない。
より明確な成長戦略を示して欲しい」（英系のアバディーン投信投資顧問の窪田慶太氏）という指摘が出ている。

　郵政グループが策定した中期経営計画は、上場３社の純利益がいずれも今後３年で減る内容になっている。
持ち株会社である日本郵政は2015年３月期の4826億円から、18年３月期には4500億円への減少を見込む。
　郵政グループは５月に豪物流大手のトール・ホールディングスの買収を完了したほか、
民間金融機関との個人向け運用会社設立など提携戦略を打ち出したが、収益にどれだけ貢献するかはまだ不透明だ。

　政治情勢によって経営環境が変わるリスクも抱えている。過去には政治の意向を背景に、
トップの交代や資産売却の凍結といった経営の混乱が繰り返されてきた。自民党がまとめたゆうちょ銀への預入限度額引き上げを求める提言も、
今後の動きによっては経営を揺るがす材料になる。
　ただ市場には郵政上場に期待する声もある。ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄氏は
「投資余力のある年配層に抜群の知名度がある」と指摘。「新たな投資家層を呼び込むきっかけになる」と話す。
　ゆうちょ銀が50％以上、かんぽ生命は30～50％を目安とする配当性向も注目されている。他の銀行や保険会社より高く、
「かつての電力株のように『安定配当銘柄』になる」（大手証券）との期待もある。

【企業】郵政グループ３社、東証上場を本申請 ＮＴＴ以来の大型ＩＰＯ 成長力の弱さ指摘も

【企業】郵政グループ３社、東証上場を本申請　ＮＴＴ以来の大型ＩＰＯ　成長力の弱さ指摘も