【行政】消費者庁「訪問販売を一律禁止」に業界団体が待った

海江田三郎 ★

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2514412.html

訪問販売の迷惑ランキングが、１０日、公表されました。消費者庁は、トラブルが多い訪問販売を一律禁止する法改正を検討していますが、
それぞれの業界団体が待ったをかけました。

　「Ｎスタ」がおととし、訪問販売による詐欺事件を取材した際の映像です。
　「全然工事が進まないという話だが。クーリングオフにこたえるつもりは？」（２０１３年取材）
　詐欺罪で服役している男は、“自己負担ゼロで太陽光パネルを設置できる”とうたい、訪問販売をしていました。
　後を絶たない訪問販売をめぐるトラブル。消費者庁のアンケート結果では、訪問販売や電話勧誘などについて、
受けたくないと回答した人が９６％に上っています。

　「しつこいのよ、だから嫌い」（街の声）
　「年寄りはだまされちゃう」（街の声）

　こうしたことから、消費者庁は、事前に“訪問販売はお断り”と意思表示した家庭への勧誘は、一律に禁止するなどの規制を検討しているのです。
　「訪問販売の規制を検討している調査会です。きょうはこの規制の動きに待ったをかけようと、業界側が参加しています」
　「規制が導入されると新聞は大きな影響を受ける。新聞販売所による地域貢献活動も衰退する」（日本新聞協会）
　「太陽光発電の設置に適していても、消費者が気付いていないケースが多い」（太陽光発電協会）
　訴えたのは、訪問販売による苦情のランキングで上位にあがった新聞業界や太陽光パネルの業界でした。

　太陽光パネルの設置は東日本大震災後に大きく伸びましたが、「思ったより発電や売電ができない」
といった苦情も増えています。しかし、業界側は、「訪問販売は欠かせない」と主張します。

　「日本の住宅の屋根はいろんな形や種類があるので、自宅を一緒に見ながら説明するところから入っていかないと」（太陽光発電協会亀田正明事務局長）

　実際に訪問販売がきっかけで、太陽光パネルを設置したという家庭を訪ねました。
　「屋根の上ですね。南向きですので、こちら側の屋根についています」（杉浦正則さん夫妻）
　「いつもいろんな訪問販売をお断りしていたが、太陽光発電は興味があった。そんなタイミングで訪問販売に来てもらい、
話だけなら聞いてみてもいいかと」（杉浦正則さんの妻）
　千葉県に住む杉浦さん一家。訪問販売は基本お断りでしたが、太陽光発電には興味があったため、
説明を聞いてみたといいます。結果、子どもたちの節電意識も芽生え、省エネにつながっているといいます。

　「発電より消費電力が多いので、もう少し節電してほしいから赤になっている」（長男）
　「これで消費電力の方が少なくなり、電気を売っている状況。今まで電気つけっぱなしが多かったが、子どもたちと節電を心がけるようになった」（杉浦正則さん）
　太陽光パネルの販売のうち、およそ３割が訪問販売によるものです。
　「一軒一軒オーダーメードになるので、そこをいかに理解していただくか」（エージー・ジャパン営業課長松本孝仁氏）
　訪問販売全般について、一律の規制強化を検討する消費者庁に対し、太陽光発電を推奨する立場の経済産業省は、
「消費者保護は大事だが、実態を踏まえた規制を導入すべき。一律に門戸を閉ざすことは適当ではない」としています。

　訪問販売は一切ダメなのか。消費者庁は、この秋にも法律の改正案を取りまとめる方針です。（10日18:19）