【スマホ】ゲームをしていると周囲に思われたくない？　女子ウケするアプリは「縦持ち」の法則

海江田三郎 ★

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20150507/1064255/
　「スマートフォンを横持ちしたくない女性は多いと思いますよ」。あるスマホアプリ会社での取材時、
記者に応対してくださっていた担当者の女性はこう話した。同席していた別の女性もうなずく。
理由が分からない記者（男性）は、しばしきょとんとしていた。
　彼女いわく、理由は「スマホでゲームをしたりテレビの録画を見たりしていると周囲に思われたくない」からなのだという。
確かにスマホ向けゲームの中には横長の画面でプレーするものも多い。
動画を見るならスマホを横にした方がより大きな映像を楽しめる。しかしそれをためらわせるのが、記者には分かりかねる女心というものか。

　取材後、記者は数人の女性の知人から同様の意見を得た。統計的・理論的な裏付けはないし、
気にしないという女性ももちろん多いだろうが、記者の周囲で同じ証言をした女性が何人かいたのは事実。
女性に受け入れられるアプリやゲームを作るなら、画面は縦持ちを前提に設計するのも一つの手かもしれない。

スマホUI設計に試行錯誤
　たかがスマホアプリの持ち方一つ。しかし想定する利用者層が違和感なく受け入れることができ、
迷うことなく使えるユーザーインタフェース（UI）の設計は、情報システム開発者にとって古くて新しい課題だ。
最近では単なる使い勝手だけでなく、利用者がシステムから受け取る総合的な体験をデザインする「ユーザー体験（UX）」という概念も広がっている。
　今まではパソコン向けシステムのUIやUXのデザインが主体だったが、
これから重要性を増すのはスマホ向けのアプリやWebサイトだろう。企業はそれぞれに試行錯誤を重ねている。
　美容情報の口コミサイト「＠cosme（アットコスメ）」を運営するアイスタイルはグループ会社のOPEN8（オープンエイト）を通じて、
スマホ用Webサイトに配信する動画広告の新しい表示形式を開発した。動画広告はサイトの上部四分の一程度のスペースに固定して表示。
利用者がサイトの画面をスクロールしても常に動画広告は枠全体を表示し続ける。再生途中に動画をタッチすると全画面表示になり、
再生を終えると枠の大きさが自動的に半分になる。

　大画面化が進む昨今のスマホの特性を生かした。「テレビCMの代替となるサービスを目指す」。オープンエイトの高松雄康社長は、
こう意義を強調する。

　背景にあるのは、従来の動画広告の「中途半端感」だ。昨年半ばごろから、
スマホ用アプリやWebサイトに表示する動画広告は画面に表示すると自動再生する方式が主流になった。
動画枠内の再生ボタンを利用者に押させる方式に比べて見られやすくなったものの、
利用者が画面をスクロールさせれば動画も流れ去っていってしまう。
　これと対照的な方式として昨年ごろから登場したのが、アプリを起動すると動画をスマホ画面全体へ
自動的に拡大表示して再生を始めるというもの。利用者の視線を確実に奪うが、
広告ではなくコンテンツをいち早く見たい利用者にとってはおせっかいそのものだった
アイスタイルの開発した方式は、「利用者のコンテンツ閲覧をできるだけ妨げず、動画広告もすべて見せる」（高松社長）ことを目指した。

スマホ世代に向けたUIも
　コマやページといった、紙の書籍が持つフォーマットにとらわれない電子書籍アプリも登場している。
NHN PlayArtが運営する「comico（コミコ）」だ。オリジナル漫画作品を無料配信するアプリとして2013年にサービスを開始。
この4月には、新たに小説作品の配信も始めた。
　comicoが配信する漫画も小説も「スマホネーティブ」。紙の書籍を電子化して読みやすく整形したのではなく、
最初からスマホで読むことを念頭にUIや作品の表現形式を設計している。
　既存の電子書籍が紙書籍の表示形式を踏襲して、ページをめくるように読み進めるのに対し、
comicoの作品は漫画も小説も縦に流れていく。ページの区切りやコマ割りはなく、漫画の絵や小説の文章が継ぎ目なく現れる。

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