【空運】米当局、Ｂ787にメンテナンス命令へ　電源系統を喪失し機体を制御できなくなる可能性

海江田三郎 ★

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H27_R00C15A5EAF000/

　【ニューヨーク＝杉本貴司】米連邦航空局（ＦＡＡ）は米国内で運航する航空会社に対し、
保有する米ボーイングの主力中型機「787」のメンテナンスを命じる見通しになった。
電源系統を喪失し、最悪の場合に機体を制御できなくなる可能性が判明した。787を保有する日本航空と全日本空輸も対応を迫られそうだ。

　787の動きを制御するソフトウエアに不具合が見つかった。ボーイングはすでに顧客である航空会社に通知した。

　ボーイングによると、現時点では実験室のシミュレーション上で電源を喪失する可能性が見つかっただけで、
実際に運航されている機体は問題が起きていないという。不具合は仮に８カ月間、
一度も電源を切らずに運航し続けた場合に起きる可能性があり「非常にまれ」（ボーイング）な例だとしている。

　ボーイングは問題のソフトウエアの更新を2015年10～12月期までに進める。当面の対応として、
電源のオン・オフを通常通りすれば、すべての電源を同時に喪失するリスクを回避できる見込みだという。
過去120日以内にこのような作業をしている機体は、即座に対応する必要はないとしている。

　787は国内では日航が20機、全日空が34機運航している。
787を巡っては、13年初めに日米の空港で電池から煙が出る事故が相次いだ。
事態を重く見たＦＡＡが一時運航停止を命じた経緯がある。電源部分を補強して運航再開が認められたが、事故原因はいまだ解明されていない。

【空運】米当局、Ｂ787にメンテナンス命令へ 電源系統を喪失し機体を制御できなくなる可能性

【空運】米当局、Ｂ787にメンテナンス命令へ　電源系統を喪失し機体を制御できなくなる可能性