【企業】“日本一親切な銀行”から生まれた「ＡＴＭべんり台」・・・進化をやめない「創業のこころ」 [2014/10/25]

夜更かしフクロウ ★

http://www.sankei.com/west/news/141025/wst1410250005-n1.html

　親切で新しい－。
池田泉州銀行には頭取から若手行員まで「創業のこころ」として胸に刻んでいる合言葉がある。
若手のアイデアでも顧客目線なら積極的に採用する風土が今も息づく。
その言葉通り、阪急電鉄と共同で全国で初めて駅に現金自動預払機（ＡＴＭ）を置くなど
「ちょっとした心配り」から誕生したサービスは少なくない。
生き馬の目を抜く金融業界を「日本一親切で新しいことにチャレンジする銀行」として勝ち残る構えだ。

　　　■６０年以上続く合言葉

　池田泉州銀行は平成２２年に池田銀行と泉州銀行が合併して誕生した。
「親切で新しい」は池田銀行が昭和２６年に創業してからの合言葉。
合併後も行内に「創業のこころ」として受け継がれている。

　このため同行広報担当者は「業界の先駆けとなる新しいサービスを導入してきたことには自負がある」と胸を張る。

　池田銀行時代は平成１２年に阪急と共同で駅のＡＴＭを設置しただけでなく、
１９年にはＩＣ乗車券とキャッシュカードを一体化した多機能ＩＣカードを導入するなど先（せん）鞭（べん）をつけた。

　背景には、頭取から若手行員までが親切なサービスと新しいチャレンジを大事にする精神を共有する風土があるという。

　営業企画部の山形進部長は「新しい意見は積極的に取り入れる」と話す。

　　　■若手のアイデア実現

　「創業のこころ」を受け継ぐ若手行員のアイデアがもとで新しい店舗設備や金融商品、サービスが誕生するケースは珍しくない。
　７月、本店と全支店のＡＴＭに設置された手荷物台もそのひとつ。
発案したのは、営業企画部の生田康幸さん（３２）。
３年前の雨の日、傘を機械に立てかけ、片手に買い物の荷物を持ちながら預金を引き出す女性の姿をみて
「不便そうやな。手荷物台があったらいいのに」と感じたのがきっかけだった。

　生田さんは営業企画部でＡＴＭの手荷物台の開発を提案し、入社２年～１０年目の若手行員１０人による開発が始まった。
ＡＴＭの操作画面の手前に手荷物を置けるだけではなく、傘やステッキを立てかけられる台にした。
「小さい子供が頭などをぶつけないように」との配慮から形状に丸みを持たせた。

　最終段階では、藤田博久頭取ら銀行幹部からも「安心して機器操作に集中できるように」と注文が寄せられ、
盗難防止のフックをつけた。
このトップ会議で名称が「ＡＴＭべんり台（だ～い）」と決まった。

　「銀行でおむつ替えができたら便利」との女性行員からの提案からスタートした取り組みもある。
そこで同行は２４年から、乳幼児の授乳やおむつ替え場所として施設を提供する自治体の「赤ちゃんの駅」事業に協力している。
すでに大阪の池田市や泉佐野市など６自治体１９店舗で利用されている

写真：ATMの手前に荷物や傘を置ける池田泉州銀行の「べんり台(だ～い)」。若手銀行員のアイデアから独自開発した
http://www.sankei.com/images/news/141025/wst1410250005-p1.jpg

（続きます）