【国際】アップル・ウオッチ、サムスンに恵みもたらすか

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アップル・ウオッチを紹介するクックCEO（9日、米カリフォルニア州クパチーノ） Agence France-Presse/Getty Images

　待望の新型「iPhone（アイフォーン）」と「アップル・ウオッチ」の発表は、韓国のサムスン電子の追い風になり得るだろうか。

　普通に考えれば、アップルがiPhoneを大型化し、スマートウオッチ市場に参入したことで、サムスンは窮地に立たされかねない。
サムスンは既に画面サイズの大きい高価格帯スマートフォン（スマホ）とスマートウオッチを発売し、これまではアップルとの競争を迫られなかった。

　大型スマホ市場はサムスンが「ギャラクシー・ノート」で開拓して人気を集め、数年にわたって高い利益率を享受できる状態にあった。

　ウエアラブル端末市場でも、サムスンは早くも6種類のスマートウオッチを投入済みだ。

　だが複数のアナリストによると、サムスンはアップル参入による市場シェア縮小の恐れをそれほど問題視していない可能性がある。
サムスンはコメント要請に応じていない。

　モバイル業界に詳しい米IBBコンサルティング・グループのコンサルタント、ジェファーソン・ワン氏は、
アップルの参入でスマートウオッチ市場の「信頼性が高まり、サムスンも得するかもしれない」と指摘。
「サムスンは白紙の状態で始め、自力で育て上げた。（アプリケーションの）開発者を巻き込み、エコシステムを構築するのは大変な仕事だ」と述べた。

手首にコンピューターを装着する発想は当初かなり奇抜だったため、サムスンは今後この市場が拡大の一途をたどるに違いないとみている。
アップルがどれだけ市場シェアを獲得しようと、全体の規模が拡大すれば皆が利益を得られるとの見方だ。

　その意味で、アップル・ウオッチの登場はサムスンにとって好都合だ。
アップルが誇る信頼性とマーケティング力でスマートウオッチ製品の位置付けが「ニッチ」から「マストアイテム」に変化すれば、
サムスンが不満を抱くはずもない。

　ワン氏は、スマホではアップルとサムスンのライバル関係で両社の良い面が引き出されたとみており、
スマートウオッチ市場でも同じ展開が続くと期待している。

　「それぞれが違う方法で取り組んでいる。あらゆる新分野に言えることだが、やり方はいくらでもある」とし、
「消費者は2社が競り合い、選択肢が生まれることを常に求める」と述べた。以下略
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