【投資】米ＮＹダウ、年末までに1万8000ドルか？

VITO J. RACANELLI　2014 年 5 月 20 日 08:21 JST　バロンズ　株式市場展望
★史上最高値更新するが、週間ベースでは下落

　先週の株式市場には手りゅう弾が投げ込まれたような衝撃が走り、投資家がどきりとする場面があった。
しかし、それも長くは続かず、史上最高値を付けた株式市場はその後の木曜日に1％下落しただけだった。
(略)

★年末までにNYダウは1万8000ドルか？

今年に入ってからNYダウは、昨年末に付けた高値を下回る水準での取引が多かったが、値動きの激しかった直近6営業日で3回高値を更新し、
先週火曜日には1万7000ドルに大変近い水準まで上昇した。ファンダメンタルズ面からはぴったりの数字に意味はないが、それでもマスコミや
一般の人や投資家の目を引くことは確かだ。上昇相場が既に5年になることから、2008年以降に株式投資を止めた個人投資家の資金が再び株式市場に
流入して株価を上昇させる買いにつながるかどうかに注目している投資家も多い。

　より論理的に話を進めるために、ウォートン・スクールのファイナンスの教授で、最近第5版が出版された「Stocks for the Long Run＝
邦題：株式投資長期投資で成功するための完全ガイド」の著者であるジェレミー・シーゲル氏に助言を求めた。
バロンズでは2009年に同書の中の142年の市場データを使って、1871年以降の株式市場の長期的なパフォーマンスの検証を行った
（2009年3月9日号「論争に終止符：株式投資は有効である」）。

　今回、シーゲル氏と提携するウィズダムツリー・アセット・マネジメントのジェレミー・シュワルツ氏がデータをアップデートしてくれた結果、
株式市場の5、10、20、30年のリターンの移動平均値が2013年末分まで得られた。2009年の時の主な結論は、直近5年や10年のリターンが
それまでの平均を下回った場合、次の5年や10年のリターンは平均を上回ることになる、というものだった。
(略)
　シーゲル氏は最近バロンズ誌に対して「NYダウは2014年に10～15％上昇して年末までに1万8000ドルを付ける可能性が高い」と語った。
もちろんその前に調整がないとは言っていないものの、株価の上昇を支える公算が大きい2つの要因を挙げた。

　1つは、金利が「昨年末に懸念されていたような高い水準にならない」という点だ。実際、債券市場は今年に入って上昇し、
米10年国債の利回りが昨年末の3％以上から2.52％まで低下して投資家を当惑させている。加えて、S＆P500指数構成銘柄の増益率が年後半に加速し、
2014年の企業業績が2013年から10～12％増加することもサポート要因になると、同氏は述べる。

　物色動向について同氏は、昨年出遅れたものの今年は買われている配当株が、今後5年程度は最も良いと予想する。
投資家が金利上昇はないとみているため「今後2、3年はもっともよくアウトパフォームする銘柄群になる」と述べる。

　株式市場全体に関しては、バリュエーションは過去のデータから考えるとほぼフェアバリューに近いため、今後5年間の市場は平均的なリターンに
とどまり、これまでの5年間のような素晴らしいものにはならないようだ。
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303923004579571234016810294
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