2ちゃんねる スマホ用 ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

【急騰】今買えばいい株9102【わわわ】

1 :山師さん :2017/10/20(金) 10:24:32.24 ID:h0IwfpNU0.net
※※※ 実況はコチラへ ※※※
市況1板
https://hayabusa9.5ch.net/livemarket1/

・コテは無視しましょう。荒らしに構う奴も荒らしです。
・証券コード、銘柄名を併記してください。
・判断材料をできるだけ明確にお願いします。
・注目銘柄の事実に基づいた情報共有が目的なので、単なる買い煽りや自慰行為は控えてください。

*コテハンを付ける方は投資一般板やみんかぶ、ブログやツイッターを強く推奨しています。
*ブログの宣伝行為、スレの私物化は控えてください。


避難所
http://jbbs.shitaraba.net/business/5380/

●2ちゃんねる初心者の方は必ず使用上のお約束をお読みください。
http://info.5ch.net/index.php/
●次スレは原則>>700が立てること。>>750>>800は補欠で待機。
900までに700,750,800がスレ立てできなかったら、有志がスレ立て宣言してスレ立てよろ。
※立てる前にスレ立て宣言推奨(スレ乱立防止のため)
※スレ一覧リロードで重複確認必須、スレ番が正しいか確認してから立てること。
※スレタイに特定の銘柄名をつけるのはやめましょう。トラブルの原因です。
※スレタイの先頭には【急騰】を、途中には通し番号をつけるのをお忘れなく。
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:----: EXT was configured

952 :山師さん :2018/01/24(水) 19:49:05.98 ID:CS/nVfsv0.net
なるほど」とか、「そうですか」とかいってくれたが、それ以上の批評は少しも加えなかった。私は物足
りないというよりも、聊いささか拍子抜けの気味であった。それでもその日私の気力は、因循いんじゅん
らしく見える先生の態度に逆襲を試みるほどに生々いきいきしていた。私は青く蘇生よみがえろうとする

953 :山師さん :2018/01/24(水) 19:49:21.96 ID:CS/nVfsv0.net
大きな自然の中に、先生を誘い出そうとした。
「先生どこかへ散歩しましょう。外へ出ると大変好いい心持です」
「どこへ」

954 :山師さん :2018/01/24(水) 19:49:37.86 ID:CS/nVfsv0.net
 私はどこでも構わなかった。ただ先生を伴つれて郊外へ出たかった。
 一時間の後のち、先生と私は目的どおり市を離れて、村とも町とも区別の付かない静かな所を宛あても
なく歩いた。私はかなめの垣から若い柔らかい葉を※(「てへん+劣」、第3水準1-84-77)もぎ

955 :山師さん :2018/01/24(水) 19:49:54.00 ID:CS/nVfsv0.net
取って芝笛しばぶえを鳴らした。ある鹿児島人かごしまじんを友達にもって、その人の真似まねをしつつ
自然に習い覚えた私は、この芝笛というものを鳴らす事が上手であった。私が得意にそれを吹きつづける
と、先生は知らん顔をしてよそを向いて歩いた。

956 :山師さん :2018/01/24(水) 19:57:14.97 ID:CS/nVfsv0.net
 やがて若葉に鎖とざされたように蓊欝こんもりした小高い一構ひとかまえの下に細い路みちが開ひらけ
た。門の柱に打ち付けた標札に何々園とあるので、その個人の邸宅でない事がすぐ知れた。先生はだらだ
ら上のぼりになっている入口を眺ながめて、「はいってみようか」といった。私はすぐ「植木屋ですね」

957 :山師さん :2018/01/24(水) 19:57:30.96 ID:CS/nVfsv0.net
と答えた。
 植込うえこみの中を一ひとうねりして奥へ上のぼると左側に家うちがあった。明け放った障子しょうじ
の内はがらんとして人の影も見えなかった。ただ軒先のきさきに据えた大きな鉢の中に飼ってある金魚が

958 :山師さん :2018/01/24(水) 19:57:46.94 ID:CS/nVfsv0.net
動いていた。
「静かだね。断わらずにはいっても構わないだろうか」
「構わないでしょう」

959 :山師さん :2018/01/24(水) 19:58:02.92 ID:CS/nVfsv0.net
 二人はまた奥の方へ進んだ。しかしそこにも人影は見えなかった。躑躅つつじが燃えるように咲き乱れ
ていた。先生はそのうちで樺色かばいろの丈たけの高いのを指して、「これは霧島きりしまでしょう」と
いった。

960 :山師さん :2018/01/24(水) 19:58:19.10 ID:CS/nVfsv0.net
 芍薬しゃくやくも十坪とつぼあまり一面に植え付けられていたが、まだ季節が来ないので花を着けてい
るのは一本もなかった。この芍薬畠ばたけの傍そばにある古びた縁台のようなものの上に先生は大の字な
りに寝た。私はその余った端はじの方に腰をおろして烟草タバコを吹かした。先生は蒼あおい透すき徹と

961 :山師さん :2018/01/24(水) 19:58:34.77 ID:CS/nVfsv0.net
おるような空を見ていた。私は私を包む若葉の色に心を奪われていた。その若葉の色をよくよく眺ながめ
ると、一々違っていた。同じ楓かえでの樹きでも同じ色を枝に着けているものは一つもなかった。細い杉
苗の頂いただきに投げ被かぶせてあった先生の帽子が風に吹かれて落ちた。

962 :山師さん :2018/01/24(水) 19:58:50.97 ID:CS/nVfsv0.net
二十七

963 :山師さん :2018/01/24(水) 19:59:06.92 ID:CS/nVfsv0.net
 私わたくしはすぐその帽子を取り上げた。所々ところどころに着いている赤土を爪つめで弾はじきなが
ら先生を呼んだ。
「先生帽子が落ちました」

964 :山師さん :2018/01/24(水) 19:59:22.97 ID:CS/nVfsv0.net
「ありがとう」
 身体からだを半分起してそれを受け取った先生は、起きるとも寝るとも片付かないその姿勢のままで、
変な事を私に聞いた。

965 :山師さん :2018/01/24(水) 19:59:38.82 ID:CS/nVfsv0.net
「突然だが、君の家うちには財産がよっぽどあるんですか」
「あるというほどありゃしません」
「まあどのくらいあるのかね。失礼のようだが」

966 :山師さん :2018/01/24(水) 19:59:55.02 ID:CS/nVfsv0.net
「どのくらいって、山と田地でんぢが少しあるぎりで、金なんかまるでないんでしょう」
 先生が私の家いえの経済について、問いらしい問いを掛けたのはこれが始めてであった。私の方はまだ
先生の暮し向きに関して、何も聞いた事がなかった。先生と知り合いになった始め、私は先生がどうして

967 :山師さん :2018/01/24(水) 20:00:10.85 ID:CS/nVfsv0.net
遊んでいられるかを疑うたぐった。その後もこの疑いは絶えず私の胸を去らなかった。しかし私はそんな
露骨あらわな問題を先生の前に持ち出すのをぶしつけとばかり思っていつでも控えていた。若葉の色で疲
れた眼を休ませていた私の心は、偶然またその疑いに触れた。

968 :山師さん :2018/01/24(水) 20:00:26.85 ID:CS/nVfsv0.net
「先生はどうなんです。どのくらいの財産をもっていらっしゃるんですか」
「私は財産家と見えますか」
 先生は平生からむしろ質素な服装なりをしていた。それに家内かないは小人数こにんずであった。した

969 :山師さん :2018/01/24(水) 20:00:43.02 ID:CS/nVfsv0.net
がって住宅も決して広くはなかった。けれどもその生活の物質的に豊かな事は、内輪にはいり込まない私
の眼にさえ明らかであった。要するに先生の暮しは贅沢ぜいたくといえないまでも、あたじけなく切り詰
めた無弾力性のものではなかった。

970 :山師さん :2018/01/24(水) 20:00:59.03 ID:CS/nVfsv0.net
「そうでしょう」と私がいった。
「そりゃそのくらいの金はあるさ、けれども決して財産家じゃありません。財産家ならもっと大きな家う
ちでも造るさ」

971 :山師さん :2018/01/24(水) 20:01:15.06 ID:CS/nVfsv0.net
 この時先生は起き上って、縁台の上に胡坐あぐらをかいていたが、こういい終ると、竹の杖つえの先で
地面の上へ円のようなものを描かき始めた。それが済むと、今度はステッキを突き刺すように真直まっす
ぐに立てた。

972 :山師さん :2018/01/24(水) 20:01:31.02 ID:CS/nVfsv0.net
「これでも元は財産家なんだがなあ」
 先生の言葉は半分独ひとり言ごとのようであった。それですぐ後あとに尾ついて行き損なった私は、つ
い黙っていた。

973 :山師さん :2018/01/24(水) 20:01:47.05 ID:CS/nVfsv0.net
「これでも元は財産家なんですよ、君」といい直した先生は、次に私の顔を見て微笑した。私はそれでも
何とも答えなかった。むしろ不調法で答えられなかったのである。すると先生がまた問題を他よそへ移し
た。

974 :山師さん :2018/01/24(水) 20:02:03.02 ID:CS/nVfsv0.net
「あなたのお父さんの病気はその後どうなりました」
 私は父の病気について正月以後何にも知らなかった。月々国から送ってくれる為替かわせと共に来る簡
単な手紙は、例の通り父の手蹟しゅせきであったが、病気の訴えはそのうちにほとんど見当らなかった。

975 :山師さん :2018/01/24(水) 20:02:18.97 ID:CS/nVfsv0.net
その上書体も確かであった。この種の病人に見る顫ふるえが少しも筆の運はこびを乱していなかった。
「何ともいって来ませんが、もう好いいんでしょう」
「好よければ結構だが、――病症が病症なんだからね」

976 :山師さん :2018/01/24(水) 20:02:34.92 ID:CS/nVfsv0.net
「やっぱり駄目ですかね。でも当分は持ち合ってるんでしょう。何ともいって来ませんよ」
「そうですか」
 私は先生が私のうちの財産を聞いたり、私の父の病気を尋ねたりするのを、普通の談話――胸に浮かん

977 :山師さん :2018/01/24(水) 20:02:50.87 ID:CS/nVfsv0.net
だままをその通り口にする、普通の談話と思って聞いていた。ところが先生の言葉の底には両方を結び付
ける大きな意味があった。先生自身の経験を持たない私は無論そこに気が付くはずがなかった。

978 :山師さん :2018/01/24(水) 20:03:07.14 ID:CS/nVfsv0.net
二十八

「君のうちに財産があるなら、今のうちによく始末をつけてもらっておかないといけないと思うがね、余

979 :山師さん :2018/01/24(水) 20:03:23.04 ID:CS/nVfsv0.net
計なお世話だけれども。君のお父さんが達者なうちに、貰もらうものはちゃんと貰っておくようにしたら
どうですか。万一の事があったあとで、一番面倒の起るのは財産の問題だから」
「ええ」

980 :山師さん :2018/01/24(水) 20:03:39.16 ID:CS/nVfsv0.net
 私わたくしは先生の言葉に大した注意を払わなかった。私の家庭でそんな心配をしているものは、私に
限らず、父にしろ母にしろ、一人もないと私は信じていた。その上先生のいう事の、先生として、あまり
に実際的なのに私は少し驚かされた。しかしそこは年長者に対する平生の敬意が私を無口にした。

981 :山師さん :2018/01/24(水) 20:03:55.22 ID:CS/nVfsv0.net
「あなたのお父さんが亡くなられるのを、今から予想してかかるような言葉遣ことばづかいをするのが気
に触さわったら許してくれたまえ。しかし人間は死ぬものだからね。どんなに達者なものでも、いつ死ぬ
か分らないものだからね」

982 :山師さん :2018/01/24(水) 20:04:11.14 ID:CS/nVfsv0.net
 先生の口気こうきは珍しく苦々しかった。
「そんな事をちっとも気に掛けちゃいません」と私は弁解した。
「君の兄弟きょうだいは何人でしたかね」と先生が聞いた。

983 :山師さん :2018/01/24(水) 20:04:27.17 ID:CS/nVfsv0.net
 先生はその上に私の家族の人数にんずを聞いたり、親類の有無を尋ねたり、叔父おじや叔母おばの様子
を問いなどした。そうして最後にこういった。
「みんな善いい人ですか」

984 :山師さん :2018/01/24(水) 20:04:43.68 ID:CS/nVfsv0.net
「別に悪い人間というほどのものもいないようです。大抵田舎者いなかものですから」
「田舎者はなぜ悪くないんですか」
 私はこの追窮ついきゅうに苦しんだ。しかし先生は私に返事を考えさせる余裕さえ与えなかった。

985 :山師さん :2018/01/24(水) 20:04:59.14 ID:CS/nVfsv0.net
「田舎者は都会のものより、かえって悪いくらいなものです。それから、君は今、君の親戚しんせきなぞ
の中うちに、これといって、悪い人間はいないようだといいましたね。しかし悪い人間という一種の人間
が世の中にあると君は思っているんですか。そんな鋳型いかたに入れたような悪人は世の中にあるはずが

986 :山師さん :2018/01/24(水) 20:05:15.18 ID:CS/nVfsv0.net
ありませんよ。平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという
間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです」
 先生のいう事は、ここで切れる様子もなかった。私はまたここで何かいおうとした。すると後うしろの

987 :山師さん :2018/01/24(水) 20:05:30.97 ID:CS/nVfsv0.net
方で犬が急に吠ほえ出した。先生も私も驚いて後ろを振り返った。
 縁台の横から後部へ掛けて植え付けてある杉苗の傍そばに、熊笹くまざさが三坪みつぼほど地を隠すよ
うに茂って生えていた。犬はその顔と背を熊笹の上に現わして、盛んに吠え立てた。そこへ十とおぐらい

988 :山師さん :2018/01/24(水) 20:05:46.92 ID:CS/nVfsv0.net
の小供こどもが馳かけて来て犬を叱しかり付けた。小供は徽章きしょうの着いた黒い帽子を被かぶったま
ま先生の前へ廻まわって礼をした。
「叔父さん、はいって来る時、家うちに誰だれもいなかったかい」と聞いた。

989 :山師さん :2018/01/24(水) 20:06:03.33 ID:CS/nVfsv0.net
「誰もいなかったよ」
「姉さんやおっかさんが勝手の方にいたのに」
「そうか、いたのかい」

990 :山師さん :2018/01/24(水) 20:06:19.07 ID:CS/nVfsv0.net
「ああ。叔父さん、今日こんちはって、断ってはいって来ると好よかったのに」
 先生は苦笑した。懐中ふところから蟇口がまぐちを出して、五銭の白銅はくどうを小供の手に握らせた


991 :山師さん :2018/01/24(水) 20:06:35.30 ID:CS/nVfsv0.net
「おっかさんにそういっとくれ。少しここで休まして下さいって」
 小供は怜悧りこうそうな眼に笑わらいを漲みなぎらして、首肯うなずいて見せた。
「今斥候長せっこうちょうになってるところなんだよ」

992 :山師さん :2018/01/24(水) 20:06:51.22 ID:CS/nVfsv0.net
 小供はこう断って、躑躅つつじの間を下の方へ駈け下りて行った。犬も尻尾しっぽを高く巻いて小供の
後を追い掛けた。しばらくすると同じくらいの年格好の小供が二、三人、これも斥候長の下りて行った方
へ駈けていった。

993 :山師さん :2018/01/24(水) 20:07:06.96 ID:CS/nVfsv0.net
二十九

994 :山師さん :2018/01/24(水) 20:07:22.99 ID:CS/nVfsv0.net
 先生の談話は、この犬と小供のために、結末まで進行する事ができなくなったので、私はついにその要
領を得ないでしまった。先生の気にする財産云々うんぬんの掛念けねんはその時の私わたくしには全くな
かった。私の性質として、また私の境遇からいって、その時の私には、そんな利害の念に頭を悩ます余地

995 :山師さん :2018/01/24(水) 20:07:39.30 ID:CS/nVfsv0.net
がなかったのである。考えるとこれは私がまだ世間に出ないためでもあり、また実際その場に臨まないた
めでもあったろうが、とにかく若い私にはなぜか金の問題が遠くの方に見えた。
 先生の話のうちでただ一つ底まで聞きたかったのは、人間がいざという間際に、誰でも悪人になるとい

996 :山師さん :2018/01/24(水) 20:07:55.26 ID:CS/nVfsv0.net
う言葉の意味であった。単なる言葉としては、これだけでも私に解わからない事はなかった。しかし私は
この句についてもっと知りたかった。
 犬と小供こどもが去ったあと、広い若葉の園は再び故もとの静かさに帰った。そうして我々は沈黙に鎖

997 :山師さん :2018/01/24(水) 20:08:11.16 ID:CS/nVfsv0.net
とざされた人のようにしばらく動かずにいた。うるわしい空の色がその時次第に光を失って来た。眼の前
にある樹きは大概楓かえでであったが、その枝に滴したたるように吹いた軽い緑の若葉が、段々暗くなっ
て行くように思われた。遠い往来を荷車を引いて行く響きがごろごろと聞こえた。私はそれを村の男が植

998 :山師さん :2018/01/24(水) 20:08:26.97 ID:CS/nVfsv0.net
木か何かを載せて縁日えんにちへでも出掛けるものと想像した。先生はその音を聞くと、急に瞑想めいそ
うから呼息いきを吹き返した人のように立ち上がった。
「もう、そろそろ帰りましょう。大分だいぶ日が永くなったようだが、やっぱりこう安閑としているうち

999 :山師さん :2018/01/24(水) 20:08:43.15 ID:CS/nVfsv0.net
には、いつの間にか暮れて行くんだね」
 先生の背中には、さっき縁台の上に仰向あおむきに寝た痕あとがいっぱい着いていた。私は両手でそれ
を払い落した。

1000 :山師さん :2018/01/24(水) 20:08:59.16 ID:CS/nVfsv0.net
「ありがとう。脂やにがこびり着いてやしませんか」
「綺麗きれいに落ちました」
「この羽織はつい此間こないだ拵こしらえたばかりなんだよ。だからむやみに汚して帰ると、妻さいに叱

1001 :2ch.net投稿限界:Over 1000 Thread
2ch.netからのレス数が1000に到達しました。

総レス数 1001
202 KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver 2014.07.20.01.SC 2014/07/20 D ★