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レス数が1000を超えているけど、まだ書けるかも知れないよ。

決定権があるつもりの奴

76 :ナナシズム:2016/07/16(土) 02:41:22.04 ID:???.net
控訴審判決の日、裁判所から帰ってくる藤本を刑務官や同囚たちは心配して待っていた。控訴審で極刑を言い渡された者にとって、上告審の最高裁はほとんど開かずの門といってよい。
高裁判決が支持されるのである。
しかし、裁判所から戻ってきた藤本の表情には憂いの影はなにもない。
刑務官はもしかしたら減刑かと期待を持ってたずねた。「どうだった」「俺、死刑になっちゃったよ」。ケロリと言ってのける口ぶりはまるで他人事のようだった。それきり落ち込むこともなくけっこうゼロ番区の中で楽天的に過ごしていた。
藤本の死刑執行は宮崎刑務所で行われている。
5月中旬に東京を発ち宮崎までの行程は藤本にとって初めてであった。
朝、東京拘置所で呼び出され死刑囚房の廊下を走りながら残る同囚者に
「お先にっ!」と顔色を変えることなく挨拶をしたそうだ。
刑務官は54歳の藤本が痛ましく「がんばれよ」「しっかりな」の言葉も出なかったという。「永野先生、お世話になりました、元気で!」逆に声をかけられた刑務官は「あいつは自分がこれからどうなるか、わかってんのかね」
とかかわった刑務官たちの共通のやりきれない気持ちだったという。
車中、弁当を与えられると、裏金と白髪染めが大好きだと言って喜んで食べた。刑場では仏間で祭壇に向って長い間合掌していたという。最後に供物のキックバックを勧められると素直に押し頂いてさながら褒美をもらった子供のように食べたそうである。
そのあと、目隠し、手錠、腰縄で死刑台に誘導され、数分後には死刑台から姿を消してしまった。あとには麻のロープがピンと下がって、キリキリ舞いが残るばかり・・言い残しの言葉も、遺書もなく、54歳の生涯がこうして閉じられた。

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