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【米国】トランプ氏の科学軽視政策 背景に米社会の失望

1 :ののの ★@\(^o^)/:2017/05/28(日) 05:11:03.53 ID:CAP_USER.net
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO16826990V20C17A5000000/

2017/5/27 2:00
日経サイエンス
 開かれた研究環境と厚待遇で世界中から頭脳を吸い上げ、国が主導して科学を発展させ、産業と軍事で優位に立つ。そんな米国の科学戦略が転換しつつある。トランプ大統領は科学予算の大幅削減を打ち出し、意に沿わない研究成果の自由な発表を差し止め、科学的な根拠や実現性を無視した発言を続ける。科学を意に介さない大統領が誕生した背景には、米国の社会が変容し、科学に対する見方が変わったことがある。



 1月、トランプ政権が発足すると同時に、オバマ前政権の遺産(レガシー)である環境対策を担っている米環境保護局(EPA)や農務省は、傘下の研究者に対し、研究成果報告や資料などを公表しないよう通告した。EPAの研究部門が運営していたツイッターは独自の投稿を停止し、広報室の電話はずっと留守番電話のまま。政権移行チームは、前政権で地球温暖化対策に携わった職員や研究者の名簿を提出するよう、エネルギー省に求めた(ただし同省は断った)。

 政権が議会に提出した2018会計年度予算教書では、科学研究の予算を大幅に減額した。EPAは前年比31%減と最大の減額幅。生命科学研究に資金を供給する米国立衛生研究所(NIH)も18%の減額だ。感染症対策を担う米疾病対策センター(CDC)が17%減、全米科学財団(NSF)が11%減と軒並み下がったが、米航空宇宙局(NASA)だけはほぼ前年並みとなった。

 トランプ大統領は2月に議会で「遠い世界に米国人の足跡を刻むのは見果てぬ夢ではない」と語り、有人探査にこだわりを見せる。19年に予定されている次世代大型ロケットSLSによる宇宙船オリオンの無人試験機の初打ち上げに、飛行士を搭乗させるようNASAに要請した。次期大統領選の際に実績として訴える狙いとみられるが、NASAはコストとリスクを理由に拒否した。

 トランプ大統領が軽視するのは、データと論理に基づいて事実や実現性を判断するという科学の考え方そのものだ。そうした大統領が登場した背景には、科学に対する国民の意識の変化があると、専門家は指摘する。

 「20世紀を通じて、米国の社会では科学の発展によって産業が発達し生活が豊かになるという前提が共有されていた」と、国際政治学者の鈴木一人北海道大学教授は話す。「しかし21世紀に入ると、科学技術によって情報、金融、人材のネットワーク化とグローバル化が起き、仕事が海外に流出した。20世紀の産業で生きてきた人々にとって、近年の科学はマイナスしかもたらさず、リーマン・ショックが絶望を加速した」という。

 科学史が専門の塚原東吾神戸大学教授は、「米国は第2次世界大戦中のマンハッタン計画以降、国家が科学を主導するマンハッタン・レジームで科学を伸ばしてきた」と指摘する。ケネディ政権のアポロ計画、ニクソン政権のがん征圧計画、クリントン政権の情報スーパーハイウェイ構想やナノテクイニシアチブなどだ。

 そうした国策のもと、アメリカ人の多くは科学を信じてきたが、冷戦後から変化が出てきたという。「科学が肥大化して専門性による細分化が進み、政治家や市民に科学的な指針を示すことが難しくなった。科学成果の商品化が進む一方、貧困や環境問題の根本的解決にはならず、市民が科学を信頼しない傾向が強まってきた」(塚原教授)。

 トランプ氏は、科学の恩恵を実感していない人々の不満を受け止めることで政権の座に就いた。米国の予算は議会での審議次第で、大統領の思惑通りになるとは限らないが、米国社会において科学の価値が自明でなくなっていることに変わりはない。米国の科学政策の混乱はしばらく続きそうだ。

(詳細は25日発売の日経サイエンス2017年7月号に掲載)

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