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【研究】なぜ科学に巨額な予算が必要になったのか

1 :エタ沈φ ★@\(^o^)/:2014/07/10(木) 17:45:48.72 ID:???.net
新しいビッグサイエンスの時代が到来
2014年07月08日

横山 広美 :東京大学大学院理学系研究科准教授

みなさん、はじめまして。横山広美と申します。東京大学の理学部に所属し、理学部の科学を伝える広報室のマネジメントをしながら、現代科学論・科学コミュニケーション分野の研究・教育を行っています。 

勤務場所があるのは、東大本郷キャンパス安田講堂裏の理学部1号館。この建物は、正門を入って正面にある安田講堂裏にあります。
1階には、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊特別栄誉教授のノーベル賞の盾やメダルが展示されています。歴史ある理学部では約300人の教員がおおよそ2000人の学生と共に研究に取り組んでいます。

2007年に着任してからこの場所で、科学を伝える活動をすると同時に、科学と社会の間に起きる解決が困難な問題をウォッチし、社会に貢献する科学の情報発信のあり方を研究してきました。
楽しくわくわくする科学はもちろん、東日本大震災に貢献する科学、経済に貢献する科学、あるいは国際政治の問題に貢献する科学まで、理学部の中では幅広い科学が進められています。
そのため、単に科学の情報発信といっても社会科学や心理学、国際政治学などの広い分野との連携のもと考えることが必要になります。

2014年は、日本の科学界にとって試練の年となりました。日本では2000年代に入ってから発覚する研究の不正が増えています。その中でもSTAP細胞に関する疑義は世間の関心を大きく集め、研究の在り方や研究所の運営にも注目が集まる結果となってしまいました。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。日本が誇る科学技術は大丈夫なのでしょうか。

連載では日本の科学界が置かれている現状とその問題点、また科学の情報発信のあり方について、主に基礎科学と呼ばれる、研究者の自由な発想から生まれる科学を見ている者の視点から、わかりやすく解説します。
第1回は、今の科学を象徴するキーワードとして、「ビッグサイエンス」について考えていきます。

ビッグサイエンスとは何か

「ビッグサイエンス」。それまでの科学の在り方とは異なる、この特殊な科学については、1961年に米国の物理学者、アルビン・ワインバーグがその在り方や問題点をサイエンス誌にまとめ、注目されました。

ビッグサイエンスは政府による巨額の資金投資のもと、大人数の科学者が集められ、長い年月をかけて行われる科学のことです。ビッグサイエンスの「ビッグ」は、
このように予算、研究者の人数、かかる年月が他と比較して大きいことを意味しています。米国においては原爆開発のマンハッタン計画が最初のビッグサイエンスと言われていますが、冷戦時代にはソ連に勝つための宇宙開発がその象徴であるとも言えます。

>>2-5あたりに続く

http://toyokeizai.net/articles/-/41087

2 :エタ沈φ ★@\(^o^)/:2014/07/10(木) 17:48:58.55 ID:???.net
>>1の続き

では現代におけるビッグサイエンスはどのようなものでしょうか。
純粋に科学の側面から見ると、たとえば2012年にヒッグス粒子を発見した素粒子実験のグループは、おそらく過去最高の科学者数を誇るビッグサイエンスのひとつでしょう。
宇宙の真空の概念を覆すヒッグス粒子は予言されてから発見されるまで長い年月がかかりました。
なぜなら、発見には巨大なエネルギーを生み出す加速器が必要で、世界中の協力を得ながらこの加速器がジュネーブにあるCERN研究所に建設されるのに15年の歳月がかかったためです。

また、この加速器を用いた研究には大きく分けて2つのグループが貢献しました。日本の研究者の多くはそのひとつ、アトラス実験グループに参加しています。
このグループは世界中から精鋭の物理学者が集まり、3000人を超えるメンバーから構成されています。3000人がヒッグス粒子の発見、というひとつの論文を提出するビッグサイエンスです。

このように長い年月、大人数で行うビッグサイエンスは、地上に作る望遠鏡で宇宙を観測する天文学や、
海底を深く掘削できる船を用いた古気候や生物の研究分野、放射光施設と呼ばれる加速器を用いた施設でタンパク質の構造解析を行う分野などで広く行われています。

冷戦の崩壊が「実利科学」を推進

冷戦構造が崩壊する前の米国において、ビッグサイエンスは国の威信をかけて行うものであり、国威発揚に欠かせないものとして進められてきました。
しかし冷戦が崩壊し、必ずしも見栄を張る必要がなくなった米国は、ビッグサイエンスの予算を削り、実利をとれる科学に注力をはじめます。そのひとつが、当時、急速な発展を遂げていた生物科学でした。

クリントン元大統領は生物系の研究を促進するため、物理学研究費を大幅に下げ、そしてNIH(国立衛生研究所)の予算を大幅に増加したのです。
ヒトのゲノムをすべて読む、当時としては壮大なヒトゲノム計画など、大きく注目される生物の「ビッグサイエンス」が花開いたときであったことも象徴的です。

冷戦が終わる前の高度成長期は、日本の科学、特に通産省が率いた科学技術が経済成長に大きく貢献したことが世界の注目を浴びていました。『Japan as No.1』の時代です。
日本の成長は海外から羨望のまなざしで見られたと同時に、やっかみも買ったようです。日本の科学技術は欧米の基礎の上に発展してきたことから、
日本は「ただ乗り」をしている、との批判も多く、当時の科学者、技術者はくやしい思いをしたようです。

冷戦崩壊は、日本の科学界に大きな影響を与えませんでした。しかし同時期におきたあることが、日本の科学の方向性を大きく変えていったのです。

科学もバブル崩壊で変わった

それがバブル崩壊です。この数十年で、日本の科学の在り方をもっとも大きく変えた事柄のひとつは、間違いなく1990年代はじめのバブル崩壊でした。
バブルの崩壊により政府の財政が厳しくなり、それまで右肩上がりだった日本の科学技術予算がこの先、どうなるかわからない、という状況になりました。

科学技術力が日本の高度経済成長を支えていたことは明白です。地下資源などに恵まれない日本が、バブル崩壊後も世界で活躍していくために必要なことは何か。
このとき、科学技術の有用性に改めて注目が集まりました。「日本は科学技術で生きていく」ことが再確認され、この結果、1995年に、日本の科学は先端的で欧米からのキャッチアップは終わった、
これからはフロントランナーとして基礎科学から応用まで幅広い分野にしっかりと予算付けを行うと目標を掲げた「科学技術基本法」が制定されたのです。
5年間で25兆円という目標額の大きさも注目されました。

予算をしっかりと付けて実利につながる成果を出す、科学を推進することが強く推奨されたと同時に、同じ法律が基礎科学分野までをカバーする日本の包括的な法律として成立したのです。
結果、重要分野に予算を配分しやすくなったと同時に、基礎研究にも自然と出口を求める雰囲気が強くなっていきました。

米国をはじめ多くの国が80年代までの「日本型科学」を目指す中で、日本は強力に実利を求めつつ、反対に基礎的な研究までもひとつの法律の中で網羅した運営に転換し、世界からも大きな注目を浴びました。

>>2-5あたりに続く

3 :エタ沈φ ★@\(^o^)/:2014/07/10(木) 17:50:33.81 ID:???.net
>>2の続き

現在では科学技術基本法のもと、5年ごとに見直される計画によって、時代にあった柔軟な運営がされています。
東日本大震災の後は、特にリスクと社会の関係が見直され、リスクと社会のコミュニケーションについても着実に社会に実装するための議論や活動が深まっています。

しかし、「自由な発想で面白いことを追求する研究者たちが集まっている場所」というおおらかさはカゲを潜め、
「社会に役立つ何かを生み出す源泉」としてとらえる傾向が強くなり、いわゆる「出口志向」の科学が増えてきたことは事実です。
それは米国においては非常に顕著であり、米国にいる友人たちに話を聞くと、研究費を獲得できるかどうかを常に心配しているようです。
また、日本においても、近年、ますます役に立つこと、イノベーションの核となることを求められています。

科学がイノベーションの核になることは事実で、多くの革新的成果が科学の研究現場から生まれました。しかしそうした成果の多くは、計画通りに出てくるといったほど単純ではありません。
むしろ、予想外のところから、あるいは失敗の中から生まれてくることが多くあります。
そうなると、成果を狙った競争的な環境は、よい成果を出すきっかけになることもあれば、マネジメントや新たな予算獲得のための書類書きに時間をとられ、反対に研究に集中ができない環境を作り上げかねません。
冷戦時代の米国において、予算が増えすぎたことが原因でよい成果があがらなくなった、という指摘があります。

ビッグサイエンス2.0時代

冷戦崩壊と、ライフサイエンスの急速な発展、特にゲノム科学の進展は目を見張るようなものがあり、新たなビッグサイエンスの時代が来ました。それまでの巨大装置や施設を必要にするものとは異なり、
大人数の研究者がネットワークを組むことで研究を進める「ネットワーク型科学」です。
そして、ネットワーク型科学は、大人数が関わるものであることから、ビッグサイエンスの中に位置づけられ、ビッグサイエンスという概念も大きく変化を遂げてきました。

いま、ビッグサイエンスの新たな時代、ビッグサイエンス2.0時代が訪れつつあります。大型の予算が巨大施設を必要とする科学のみならず、ネットワーク型科学に投資されはじめています。
巨額の予算を必要とするビッグサイエンスをいかに運営するか、あるいは、これから推進するビッグサイエンスをどのようにして選ぶか決めることは、今後の日本の科学、ひいては私たちの社会の在り方を変えていきます。

4 :名無しのひみつ@\(^o^)/:2014/07/10(木) 18:06:01.73 ID:5zmJNG+a.net
えっ全部転載しちゃうの?

5 :名無しのひみつ@\(^o^)/:2014/07/10(木) 18:06:08.85 ID:Aa/xj02d.net
ビッグサイエンスで得するのはプロジェクトリーダー(殆ど実験してない)のみ
他はいくら名前が載っても評価されない

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