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【地質学】西之島の不思議:大陸の出現か?

1 :Cancer ★@\(^o^)/:2014/06/13(金) 04:31:00.18 ID:???.net
西之島の不思議:大陸の出現か?
2014年6月12日

東京の約1000km南方に、南北約650m、幅約200mの小さな無人島があった。西之島である。
2013年11月20日、西之島の海岸線から約300m南東沖に海底噴火が確認され、新島を形成
した(2013年11月25日のJAMSTECニュース・コラム参照)。新島は爆発的に、かつ着実に
マグマを噴出して成長を続けた。2013年12月、西之島は新島と結合し、一体化した。
2014年5月、西之島は、面積は以前の4倍、南北、東西ともに幅1,250mの島に成長した。
激しい爆発は船舶の接近を拒み、いまも流出している西之島の溶岩は、未だ採取されて
いない。しかし、旧西之島は1973年から74年に噴火しており、その噴出物およびそれ以前の
溶岩は採取され、分析されている。驚くべき事に、これらの岩石はすべてSiO2(シリカ)量が
60%前後の非常に均質な「安山岩」である。安山岩は大陸を形成する物質であり、海の
真ん中で噴出するとは、誰も考えてはいなかった。安山岩を噴出する海洋島弧の火山、
西之島に多くの研究者が注目している。

写真 2014年5月21日の西之島(14:45 海上保安庁撮影)出展:海上保安庁(海域火山データベース:西之島)
http://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20140612/img/nishinoshima140521a_s.jpg

西之島は、水深2,000mを越える深さから聳え立つ巨大な海底火山の山頂部にある。そもそも
「海底火山は、マントル(注1)で生じたマグマ(注2)が地殻を通して、海底に噴出した
ものである」というのが我々の常識であった。マントルで生じたマグマ(初生マグマ)は
海底火山の調査によって採取され、実態が明らかになってきている(2013年11月7日JAMSTEC
プレス発表)。しかし、西之島にはこれは当てはまらない。図1は西之島の溶岩(安山岩)を
マントル、マントルが溶けた初生玄武岩マグマ、および大陸地殻の組成と比較したもの
である。西之島の溶岩の組成は驚くほど大陸地殻に似ている。なぜ海洋島弧に安山岩マグマが
噴出するのか。

図1. 地殻の下にあるマントルの組成、マントルが溶けてできる初生マグマの組成、大陸
地殻の組成、および西之島の溶岩の組成の比較。
http://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20140612/img/fig01.jpg

西之島の地殻は異常で、大陸のように厚いのであろうか。事実は全く逆である。図2は伊豆
小笠原弧に沿った地殻構造を示している(Kodaira et al., 2007を改変)。伊豆弧の三宅島,
八丈島、青ヶ島、鳥島などは玄武岩マグマを噴出する火山である。これらの火山は厚さ
20-30qの地殻を持つ。一方、西之島を含む小笠原弧の地殻は厚さ15-20kmしかない。つまり、
西之島は世界でも有数の「マントルに近い島」なのである。なぜマントルに近い島から
大陸そっくりの安山岩マグマが噴出するのか。西之島が大陸成因の鍵をにぎっているの
かもしれない。

図2. 伊豆小笠原弧の地殻構造。三宅島、八丈島、青ヶ島などに比べて西之島の地殻は
顕著に薄いことがわかる。マントルに近い島から大陸に近いマグマが噴出している。U1436
およびU1437はIODP第350次航海(2014年3月30日から5月30日)における掘削サイト。U1436
においては「ちきゅう」の掘削のために必要なジオテクニカルコア(海底下150m)を採取。
U1437においては、伊豆弧の5千万年の歴史を明らかにするため、海底下1800mまで掘削した。
http://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20140612/img/fig02.jpg

(つづきはソースを見てください)

海洋掘削科学研究開発センター マントル・島弧掘削研究グループ 田村 芳彦

ソース:JAMSTECニュース(2014年6月12日)
西之島の不思議:大陸の出現か?
http://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20140612/

引用文献:Geology
Shuichi Kodaira, Takeshi Sato, Narumi Takahashi, Seiichi Miura, Yoshihiko Tamura,
Yoshiyuki Tatsumi and Yoshiyuki Kaneda. 2007. New seismological constraints on
growth of continental crust in the Izu-Bonin intra-oceanic arc.
http://geology.gsapubs.org/content/35/11/1031

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