2ちゃんねる ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

【植物】シアノバクテリアの窒素固定に必須の制御タンパク質を世界で初めて発見[14/04/22]

1 :猪苗代新幹線 ★@\(^o^)/:2014/04/22(火) 09:45:16.38 ID:???.net
−植物への窒素固定能移入への応用に期待−

生物は、炭素、酸素、水素、窒素という主に4つの元素から構成されていますが、これらの主要4元素の中で
窒素が最も不足することが多い元素です。このため、生物が利用できる窒素の供給が、地球上の生物量を
決定づけていると言って過言ではありません。地球上に存在する窒素の多くは、空気の80%近くを占める
窒素分子(N2)として存在しますが、ほとんどの生物はこの窒素を利用することができません。特別な
微生物(原核生物の一部)だけがN2を植物などが利用できるアンモニア(NH3)に変換できる“窒素固定”
という能力をもっています。もし、この限られた微生物だけがもつ窒素固定能を植物に移植することができれば、
窒素肥料なしでも十分な収穫量が得られるような窒素固定作物を作出することができるかもしれません。

しかし、ニトロゲナーゼは、O2に触れると秒単位で不活性化するという脆弱な性質の酵素です。このような
酵素が、光合成でO2を作り出す植物の中でうまく作動できるとは思えません。そこで、研究グループは、
シアノバクテリアに着目しました。植物と同じ光合成を行う微生物シアノバクテリアには窒素固定能をもつ
種類が数多く存在しているのです。シアノバクテリアが窒素固定と光合成を一つの細胞で和合させることが
できるメカニズムがわかれば、窒素固定能の植物への移植につながるかもしれません。これまで、窒素固定能を
もつシアノバクテリアの研究は、ヘテロシスト注4)という窒素固定を専門に行う特別な細胞を分化する
メカニズムを中心になされてきましたが、ニトロゲナーゼを、窒素不足かつ低いO2レベルのときだけ作り出す
メカニズムは謎のままでした。

中略

窒素固定性のシアノバクテリアは、細胞の窒素が不足したこととO2レベルが低いという2つの要因を何らかの
方法で感知して窒素固定を行っていますが、今回の発見により、これら2つの要因が、CnfRという制御
タンパク質によって感知されて巧妙にコントロールされていることが明らかになりました。また、これまでの
研究で、ヘテロシストを作らない窒素固定性のシアノバクテリアは、昼に光合成、夜間に窒素固定を行い、
光合成と窒素固定を時間的に分けることで、二つのプロセスを和合させており、この時間的な隔離は、概日
リズムによって制御されているのではないかと考えられてきました。CnfRは、このような時間的隔離の
ための概日リズムを生み出す要因となっているのかもしれません。さらに、cnfR を含め窒素固定遺伝子群を
植物へ移植すれば、CnfRの制御のもとで適切な条件のときにだけ窒素固定を行い、窒素肥料がなくても
十分な収穫量を得ることができる窒素固定性作物を作り出すことが可能かもしれません。現在、化学肥料の
原料となるアンモニアは工業的窒素固定によって作られていますが、この過程で大量の化石エネルギーを
消費し、排出される二酸化炭素の量は膨大です。窒素固定性作物を作り出せば、この過程で生じる
二酸化炭素排出を大きく減らすことが期待されます。

以下略

ソース:独立行政法人科学技術振興機構
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140422/

総レス数 32
12 KB
新着レスの表示

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver 2014.07.20.01.SC 2014/07/20 D ★