韓国ＭＥＲＳ、サムスン御曹司が謝罪　関連病院で大量感染

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2015/6/23 19:58
【ソウル＝小倉健太郎】中東呼吸器症候群（ＭＥＲＳ＝マーズ）の感染者拡大に関連してサムスングループの御曹司である李在鎔（イ・ジェヨン）氏が23日、記者会見を開いて謝罪した。
グループの財団が運営する病院で大量の院内感染が発生したためだ。管理体制に問題があったことも判明し、社会的な批判は政府だけでなく病院にも向かっている。
「我々は国民の皆様の期待と信頼に応えられませんでした。責任を痛感します」。李在鎔氏は同日、サムスン生命公益財団理事長として深々と頭を下げた。
保健福祉省が同日発表したＭＥＲＳ感染者数は175人。このうち85人が同財団の運営するサムスンソウル病院（ソウル市）で院内感染した。
サムスンソウル病院は韓国で「ビッグ４」と呼ばれる最先端医療機関の一つ。グループ総帥で李在鎔氏の父、李健熙（イ・ゴンヒ）
サムスン電子会長が2014年５月に急性心筋梗塞で倒れて以来、今なお入院しているところにもサムスンの自信が表れている。そんな病院で何が起きたのか。
発端は５月27日だ。救急車で運び込まれた35歳の男性患者は熱が出ていた。ＭＥＲＳが最初に流行したソウル郊外の平沢聖母病院で直前に治療を受けていたが、
サムスンソウル病院がＭＥＲＳ感染の疑いがあると認識したのは政府の連絡を受けた29日のことだ。この３日間で多くの医療関係者や他の患者に３次感染が進んだ。
職員管理にも落ち度があった。27日に入院した患者がＭＥＲＳと判明した後もこの患者と接触した関係者の隔離が不十分だったのだ。
移動式ベッドなどで病院内の患者の移動を手伝う55歳の男性職員は６月２日に発熱や筋肉痛などの症状が出たが10日までそのまま勤務。同じく10日まで勤務を続けて後にＭＥＲＳと診断された医師もいる。
同病院はさらなる感染拡大を防ぐため、現在は一部を閉鎖中だ。外来診療や入院の新規受け付けは中止。緊急のケースを除き手術もしていない。
朴槿恵（パク・クネ）大統領は17日、ＭＥＲＳ対応で訪れた国立保健研究院にサムスンソウル病院の院長を呼んで「サムスンソウル病院さえうまくいけば多くの問題が解決する」と対応強化を強く要請した。
初期対応の失敗を指摘された政府が責任の一端を押しつけようとする面もあるとはいえ、病院に対する市民の視線は冷たい。メディアからも批判が相次ぐ。
韓国においてサムスングループは単なる一企業集団ではない。電機のほか建設、商社、保険、システム開発、ファッションなど業種は多岐にわたる。
中核企業、サムスン電子の株式時価総額は194兆ウォン（約21兆円）と韓国上場企業の15％を占める。減速中とはいえスマートフォンの販売台数シェアはなお世界トップだ。
所得格差の拡大を背景に“持てる者”の象徴であるサムスン批判は絶えないが、韓国人の自尊心のよりどころでもある。
健熙氏の不在が長期化するなか、経営のかじとりは後継者と確実視されている李在鎔サムスン電子副会長に事実上、移っている。
それでも会長への就任や李健熙氏が持つ株式の引き継ぎなど、形式的な事業継承はまだ残る。
韓国では巨大財閥の創業家が記者会見すること自体、珍しい。47歳の誕生日を迎えたこの日、在鎔氏が「責任」にまで言及したのは覚悟の表れにもみえる。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM23H6Q_T20C15A6FF1000/

韓国ＭＥＲＳ、サムスン御曹司が謝罪 関連病院で大量感染

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