【ネパール】復興庁の人手不足深刻＝公務員が異動拒否［4/24］

ネパール大地震からの再建を担うため、昨年１２月に発足した復興庁が人手不足に苦しんでいる。
政府は他省庁から職員をかき集めようとしたが、大半が「激務」や「トラブルに巻き込まれたくない」などを理由に異動を拒んだためだ。
当初予定していた要員約２００人の半分も集まらず、復興の遅れを招いている。

　「この２カ月間、１日も休んでいない」。復興庁のビシュマ・ブサル次官は苦笑いを浮かべた。
土日も午前６時に出勤、午後９時すぎまで首都カトマンズの庁舎で勤務する。

　肩書は「政策、計画、監視、海外援助調整担当次官」。
財務省から復興庁に異動した唯一の職員として、広範な責務を任される。

　目下の最優先課題は、被災した約６０万世帯への住宅再建補助金の給付だ。だが、人手が足りず、
地方自治体とうまく連携が取れないこともしばしば。そのたびに被災者からは「役に立たない」と批判を浴びる。
復興庁長官の汚職疑惑が浮上したことで、世間の風当たりも強い。

　それでも、ブサル次官は「行動で示して信頼を得るしかない」と前を向く。
「復興を見届けるまで全力を尽くす」。多くの公務員が復興の最前線に立つことを避ける中、
ブサル次官のような少数派の強い思いがネパールを支えている。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042400060&g=int