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産経抄ファンクラブ第301集

428 :文責・名無しさん:2024/03/27(水) 09:08:16.85 ID:aFOMGCqA0.net
3月27日

 人生において難しい作業の一つに、親疎の線引きがある。例えば、友人と知人の境界線をどうやって引いたものか。明快な答えを持ち合わせている人は少なかろう。『悪魔の辞典』の著者であるA・ビアスは、辛口の警句を残している。

▼「知人とは、金を借りるほどには親しいが、金を貸すほどには親しくない人のこと」。英語教育研究家である晴山陽一さんの訳を拝借した(『すごい言葉』文春新書)。身も蓋もない言い方をすれば、親しき仲に金銭の沙汰を持ち込むことなかれ―となるのかもしれない。

▼違法賭博で7億円近い負債を抱え、口座からの無断送金で穴を埋める。信を置いた元通訳の裏切りに遭い、胸の内は複雑だろう。「ショックという言葉が正しいと思えないほど言葉にするのも難しい」と吐露したドジャースの大谷翔平選手である。

▼過日の入団会見で「翔平の親友」とまで評された元通訳は、どんな思いで信に背いたのか。「借金の肩代わりをしてもらった」と米メディアについた噓はスーパースターの致命傷になる恐れもあった。人として、越えてはならなかった一線である。

▼ともあれ、自身は違法賭博にも胴元への送金にも関与はないとする大谷選手の肉声に接し、正直なところ安堵(あんど)を覚えた。誰を近づけ誰を遠ざけるのか、親疎の線引きはかくも難しい。こと金銭がからめばなおのことである。あすはわが身と、構える人も多いのではないか。

▼大谷選手にとって、窃取された額の多寡が問題の本質でないことは分かっている。いるのだが、授業料と呼ぶにはあまりに高く、代償と呼ぶには残酷に過ぎよう。「夢」を届けてくれるその人を容赦なく北風にさらす野球の神様が、これほど恨みに思えることもない。


https://www.sankei.com/article/20240327-F66UAX2OXNJHZG3ECN5S3P24L4/

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