産経抄ファンクラブ第301集
- 316 :文責・名無しさん:2024/03/17(日) 10:17:58.46 ID:6R4Utu1t0.net
- 3月17日
越前朝倉家を攻める織田信長に、小豆の入った袋が届いた。近江の浅井家に嫁ぐ妹、お市の方からの陣中見舞いだ。袋の両端は縄で縛られ、それを見た信長は浅井の裏切りを知る。袋が暗示したのは朝倉と浅井の挟み撃ちだった。
▼史実としての真偽はともかく、お市の方の機転と信長が危難を逃れた退却戦は大河ドラマに描かれた。ご存じの方も多かろう。攻防の場となった金ケ崎城は、いまの福井県敦賀市にあった。城跡のふもとに建つ金崎宮(かねがさきぐう)では、挿話にあやかり袋の両端を結んだお守りが人気と聞く。
▼北陸新幹線はきのう、金沢―敦賀間が開業した。折も折、北陸は能登半島地震の痛手から立ち直ろうとするさなかである。首都圏と北陸、関西圏と北陸。結び目として新たな使命を帯びた敦賀は、復興という難事業の突破口として最適な地だろう。
▼東京と敦賀は3時間余り、大阪と金沢も2時間余りで結ばれる。新たな開業区間には、「関西の奥座敷」と呼ばれるあわら温泉など名湯の地も多い。石川や福井など4県を対象に観光支援の「北陸応援割」も始まった。沿線の活気はやがて、能登の被災地へと広がるはずである。
▼江戸期の敦賀は北前船の港として栄えた。先の大戦では、外交官の杉原千畝が発給した「命のビザ」でナチス・ドイツの迫害を逃れたユダヤ人難民を、最初に受け入れたのが敦賀港だった。日本と世界の結び目となった歴史にも光が当たるといい。
▼能登では駆けつけたボランティアらが復興に向けて汗を流している。観光を通じて北陸の経済を潤すこともまた、被災地への心強い陣中見舞いとなるだろう。ちなみに、袋の両端を結んだお守りの中には小豆が1粒入っている。ご利益は「難関突破」だという。
https://www.sankei.com/article/20240317-3OSUKYPG55KD5H4VFXKHKU53WE/
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