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☆マスコミ99年放送事故詐ジェニー事件18年2月18〜

305 :陽子:2018/05/04(金) 22:58:01.52 ID:fGXmdujk9
小説「故郷への凱旋」
故郷への凱旋

・・・私はこの作品を、すべてのハンセン病患者に捧げる・・・

昭和十七年春、十八歳の小宮山浩作は、家で母・オキナと食事をしていた。
「きっと戦闘機乗りになる」
息子が言うと、母は、
「戦闘機は危ないよ。偵察機とか、そういう安全な飛行機にしな」
しかし息子は、
「男なら、零戦(れいせん)だよ。敵をバッタバッタと、撃ち落すんだ」
「零戦はそんなに凄いのかい?」
「世界一の戦闘機だ。ドイツのメッサーシュミットや、イギリスのスピットファイアや、アメリカのグラマンより、はるかに、はるかに」
「困ったもんだねえ。父さんは中華事変で戦死して、息子はおまえだけだ。何とか、生きて帰ってきて欲しいけどねえ」
「母さん、御国のために、出征するんだ。御国のためは、家族のため。母さんのためなんだよ」
「そんな屁理屈・・・」
食べ終わると、
「じゃあ、行くよ」
立ち上がった。母は見送りに出る。家の周りでは、近所の人たちが、日の丸を振って、歓声を上げた。
「頑張れよ、浩作!」
「コウちゃん、英雄になって帰ってくるんだよ!」
思い思いに声援を送った。迎えに来ていた兵隊が、
「さあ、小宮山、行こうか」
声を掛けると、
「はい!」
と、まだ赤い頬で返事をした。
皆は「ウオー」と、大歓声を上げる。母は、一応、皆の前では、笑っていた。そして、一人息子は、旅立った。

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