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やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その111

866 ::2017/10/12(木) 21:37:06.44 ID:ErMOtryC0.net
10月4日(水)朝日新聞東京版夕刊文化面・終わりと始まり

池澤夏樹(芥川賞作家)  「絶望の一歩手前で それでも愚直に選ぶ」

秋になって、讃岐から栗が届いた。

まずは栗ご飯かと思ったが、その前に栗を剥かなければならない。

熱湯に放り込んで三十分、笊に上げて、卓上に包丁とまな板を用意する。

固い鬼皮はまあ楽にカパッと剥ける。その先の甘皮がなかなか大変。実に密着しているから
包丁で丁寧に分けるしかない。大雑把にやるとおいしいところを捨てることになる。

大根の桂剥きやトマトを剥くのに似ているが、栗はサイズが小さい。その分だけ包丁使いが
細かくなる。手を動かしながら味見の誘惑に耐えるのも容易ではない。

結局、三十粒を剥くのに一時間半かかった。一粒三分。グリコの広告に「ひとつぶ300メートル」
とあったのを思い出したりして。

栗を剥くのは愚直な作業だ。手と目は忙しくても頭は暇だからいろいろなことを考える。黙々と
包丁を動かしながら、この対極にあるのは政治家という職業かと思った。

  (続く)

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