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キングコング西野公論 293

816 :妄想旅日記(1/3):2016/03/20(日) 23:07:04.06 ID:PIyxSLsX0.net
皆様に大切なお知らせ『結婚』

http://lineblog.me/nishino/archives/2238516.html

旅行代理店へB 2016/03/20 21:30

大分の旅行代理店は春だった。
担当の佐伯さんが、旅の資料をめくりながら懇切丁寧に説明してくださっていたのに、
僕の耳には何の音も入ってこない。
佐伯さんが下を向く度、長い髪が前に垂れ、その髪をかき上げると同時に毛先から天使達が放射され、
そいつら天使達が僕の目や鼻や耳や口、さらには毛穴という毛穴を全て塞いでいたからだ。
これが恋か。

http://line.sp.blogimg.jp/nishino/imgs/7/1/71e34402.jpg

ようやく聴力を取り戻した頃、佐伯さんが「この時期だと台湾もオススメですよ。
『千と千尋の神隠し』のモデルとなった街もあります」と提案してくださった。
台湾は今回のアジア旅行の候補地には入れていなかったのだが、
よくよく考えてみると、前々から台湾に一番興味があったような気がする。
全ての予定をスッ飛ばして、最初の旅先を台湾に決めた。
彼女の提案を受け入れ、彼女の仕事の評価を上げることで、
この悪しき旅行代理店(監獄)から逃がしてやることができるのなら、
僕はイギリスでもイングランドでもどこにでも行ってやる。

もろもろの手続きを済ませた後、別れは突然やってきた。
「またのご利用お願いいたします」
彼女はそう言ったが、僕には分かっていた。
最愛の妹を人質にとった独裁者が店の奥で目を光らせる中、本音が言えるはずなかろう。
彼女は、「私を助けに戻ってきて」と言っているに違いないすぎるのである。

佐伯さんは店の外までお見送りに来てくださったので、僕は思いきって

「この旅が終われば、必ずココに戻ってきます! そして、あなたをこの監獄から連れ出してみせます。
その時までどうかご無事で!」

という顔をして、後ろを振り向かずに走った。

せっかく別府まで来たので温泉にでも入って帰ろうとフラフラ歩いていたら、
『竹瓦温泉(たけがわらおんせん)』という奇妙な名前の共同浴場に辿りついた。
1879年に創設され、当時は“竹屋根葺き”で、その後改築されたものが“瓦葺き”だったため、
『竹瓦温泉』という名前になったそうだ。
使われている素材そのものが自分の名前になっているという珍しいタイプの温泉だ。
なかやまきんに君みたいなノリだろう。

http://line.sp.blogimg.jp/nishino/imgs/1/5/15641d12.jpg
▲別府駅から徒歩10分
【営業時間】6時半〜22時半
【電話】0977-23-1585

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