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キングコング西野公論259

188 :facebook (1/2):2014/08/05(火) 15:27:53.20 ID:PiADNpVs0.net
数年前、『グッドコマーシャル』という世界一面白い小説を書いた。

身代金欲しさに、銃を片手に民家に立てこもったはいいものの、人質にとった女があろうことか
「自殺志願者」で、「殺してください」とお願いされるもんだから、脅しの銃がまるで効きやしない。
脅しの銃は、生きようとする人間にしか効力を発揮しないので、犯人は「なんで死のうとするの!
世の中、捨てたもんじゃないよ!頑張って生きようよ!」と人質を説得するところから
仕事を始めなきゃいけなくなる。

「弱さ」というのは、強い。
人類最強の種族はアメリカ人でもロシア人でも、どこぞの部族でも、北朝鮮の方々でもない。
一番強いのは「赤ちゃん」だ。
赤ちゃんはその弱さゆえに、親が命をかけて面倒をみる。
兄弟や、親族や、はたまたご近所さんも面倒をみる。
「面倒をみないと死んでしまう」という共通認識が皆にあるから、
皆は赤ちゃんに時間と体力を無償で費やす。
赤ちゃんは産まれた瞬間から、無自覚にとても多くの人間を支配する。
だけど、成長する過程で少しずつ「強さ」を手に入れていくにつれ、反対に、支配力は弱まっていく。
だから大人というのはトコトン弱い。

ただ、ときどき、大人のクセにその支配力が落ちていない奴がいる。
『天才万博』の主催者である「ホームレス小谷」が、そうだ。
小谷が持つ「弱さ」という圧倒的な力の前に、「小谷!お前、ホントにダメだな!もう、俺がやるから、
大人しくしとけ!」 といった調子で周囲の人間は支配されてしまう。
僕のまわりには本当に才能ある人がたくさんいるんだけど、小谷に会うと、ことごとく支配されていく。
皆、「もうっ!」と言いながらも、30代のホームレスに、その大切な時間と体力を削っている。

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