【福井】イオン系列ＳＣが唯一ない福井、商圏に「黒船」[04/16]

朝一から閉店までφ ★

2017年04月16日 11時41分
イオンモール新小松のオープン初日、午前９時の開店直後から多くの人であふれた（３月２４日、石川県小松市で）
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20170416-OYT1T50039.html

　石川県小松市に北陸最大級のショッピングセンター（ＳＣ）「イオンモール新小松」がオープンした。

　「福井県北部も商圏」としており、特に福井市内の大型ＳＣへの客足にも影響が及ぶのは必至。〈黒船〉の襲来に、福井県内ＳＣはどう挑むのか――。

　白山を一望できる休憩スペース、約９００席を備えるフードコート、屋内動物園……。福井市中心部から車で１時間。ＪＲ小松駅から１・５キロにできたイオンモール新小松。
３月２４日午前９時のオープン前、入り口には約２８００人もの列ができた。３４００台収容の駐車場は満車状態で福井ナンバーも目立つ。

　中央入り口に一番乗りした福井市の会社員男性（３３）は「福井はメンズ服が少ない。福井で買えないブランドのジャケットを買った。金沢は遠く感じるけど、ここならすぐ来られる」と満足げだった。

　核となる「イオンスタイル新小松」に加え、北陸初出店の３０店を含む約１７０の専門店などが集まる。
運営するイオンモール（千葉市）の吉田昭夫社長は「楽しいと思っていただければ、福井の方も我々のお客様になる」と自信をみせる。

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　専門店数や集客力から、全国各地で＜黒船＞と呼ばれるイオンだが、福井県は全国で唯一、イオン系列のＳＣがない。
その背景には、県ではＳＣの多くを、地元商業者でつくる協同組合が開発してきたことがある。

　大手スーパーを核として誘致し、地元テナントとの共存を図る手法は、１９７７年に開店した「ショッピングタウンピア」（福井市二の宮、２００３年閉店）が発祥で
「福井方式」と呼ばれる。現在も、「アピタ」や専門店街「エルパ」などでつくる県内最大のＳＣ「フェアモール福井」（福井市大和田）など１１ＳＣが該当。
組合員が出店しているため、イオンのように店舗が入れ替わることが少なく、大規模な改修も難しい。

　ただ、ＳＣ事情に詳しい福井県中小企業団体中央会の芹沢利幸さんは「売り上げ次第でテナントを変えるイオンと異なり、同じ店が長く経営する福井県内ＳＣでは、
各店が地域に応じた特長を出していけるのが強み」と指摘。例えば、自店で買ってもらった服に合う他店の靴を薦める、といった「連携」が頻繁にあるといい、
「商売敵のテナント間ではできない。福井県内の各ＳＣが一体となり、客の潜在的な需要に応えていけば、客は離れない」とみる。

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　余波が最も大きそうなのがフェアモール福井。だが、エルパを運営する協同組合福井ショッピングモール専務理事の竹内邦夫さんは「新しさ以外では十分対抗できる」と強気だ。
通常、ＳＣの売り上げはオープン直後がピークとなるが、エルパは、開店１６年目の１５年度に過去最高を記録している。

　そのわけは地元密着の姿勢にある。老若男女の手作り作品などを展示したり、夏祭りを開いたりと参加型の楽しめる場としてイメージが定着。竹内さんは「地元の強みを生かしていくことが一番のイオン対策」と話す。

　「オール福井」での取り組みも始まっている。フェアモール福井を含む福井市の３ＳＣと百貨店はライバル同士だが、
昨秋から共通イベントを開くなどし、手を携える。竹内さんは言う。「４～５月の大型連休頃まで、
客足が遠のくのは織り込み済み。それでも『やっぱり』地元だね、と戻ってくる確信がある。負けられない」（内田郁恵）

2017年04月16日 11時41分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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