【鉄道/経済】ＪＲ九州上場は副業が決め手　同じ「三島会社」北海道も強化探る[09/25]

のっぺらー ★

ＪＲ九州の来月２５日の上場が決まったことが道内でも波紋を広げている。
「三島会社」と呼ばれる九州、北海道、四国のＪＲ３社は、国鉄分割民営化時に鉄道事業での黒字が見込めないとされたものの、
九州は不動産業など鉄道以外の事業を伸ばし、上場にこぎ着けた。

一方、北海道と四国はこうした事業を拡大しきれておらず、市場には経営手腕を問う声もある。
ＪＲ北海道が大幅な事業見直しを進める中、鉄道以外の事業をいかに進めるかに改めて関心が高まっている。

１９８７年の国鉄分割民営化では、全国６地域の旅客会社と貨物の計７社が発足した。
うち東日本、東海、西日本の「本州３社」は収益性の高い幹線を抱える代わりに国鉄の長期債務を背負い、
一方の「三島会社」は鉄道部門の赤字が見込まれるとして、３社で計１兆２千億円を超える経営安定基金が積まれた。
基金の運用益を鉄道設備の維持費などに活用できる仕組み。

■運用益が頼り

想定通り、三島会社の鉄道部門は「本業」でありながら赤字体質が続いてきた。
九州も２０１７年３月期以降は黒字化する見通しだが、上場にあわせた会計処理で減価償却費が大幅に圧縮されたことが主要因で、
「見かけは黒字転換するが、本質的な収益性は変わっていない」（ＪＲ九州）。

３社にとっては経営安定基金の運用益が頼りで、
中でも北海道は基金額が６８２２億円と、九州の３８７７億円、四国の２０８２億円と比べて大きい。
だが、３０年前に想定した利率７・３％を大きく下回り、現在は運用益が当初の半分以下に落ち込み、もろに影響を受けている状況だ。

その中でＪＲ九州が上場を決められたのは、
副業ともいえる分譲マンションの販売収入や駅ビルの不動産賃貸収入など鉄道以外の事業の伸長がある。
１６年３月期決算によると、鉄道事業に限った損益は１１５億円の赤字だが、その他事業で補って営業損益は５４億円の黒字だった。

九州は鉄道以外の売り上げが全体の約３割だが、北海道と四国は２割程度。
北海道も同様の事業展開はしているが、営業区域が広大で線路など鉄道設備の維持管理費が膨らみやすく、
除雪設備など北国ならではの負担も大きい。

そもそも人口密度が九州より低い上、大都市も少なく不動産などで収益を上げにくい。
一方の九州は観光や経済で７県が競争していることが奏功しているとの指摘もある。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/images/2016/09/25/M16092530328/783fc5fb79c72d6e5c9d82fe960c0c28.jpg

■「事業拡大を」

ＪＲ北海道は近く「単独では維持困難な線区」を公表し、路線廃止も視野に地元と協議に入る方針で、
路線の縮小と並行して鉄道以外の事業拡大を進めにくい事情もある。
１００％株主の鉄道建設・運輸施設整備支援機構も
「経営基盤の確立に向けて取り組んでいるところで、九州とは状況が違う」と理解を示す。

ただ、「首都圏など鉄道の営業エリアを越えて事業を拡大するべきだ」（ＤＺＨフィナンシャルリサーチの田中一実アナリスト）と
拡大戦略を求める指摘もある。
路線見直しで赤字幅を縮小しても、増収にはつながらないため、自立経営に向けて別の収益源の確立も求められそうだ。

以下ソース：北海道新聞　09/25 14:25、09/25 19:14 更新
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0319836.html

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