【IT】Google、欧州メディア300社と記事使用料支払いで合意 [ムヒタ★]

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【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルは11日、ドイツやフランスなど欧州の約300の報道機関と記事使用料の支払いで合意したと発表した。欧州連合（EU）の閣僚理事会は2019年、IT（情報技術）大手に適切な著作権の使用料を支払うことを義務付ける著作権法の改正案を採択していた。

独仏両国に加え、ハンガリー、オーストリア、オランダ、アイルランドの全国紙や地方紙、専門紙と使用料の支払いに関する契約を交わした。具体的な金額は明らかにしていない。今後、欧州の数千のメディアと契約することを目指すとしている。

EUは19年に著作権法の改正案を採択し、各国が国内法の整備を進めてきた。グーグル幹部によると、同社などのインターネット検索サービスの提供企業は記事の「ごく短い抜粋」を無料で表示する権利を認められた。一方、「長いプレビュー」については報道機関が使用料を求めることができるようにした。

具体的な線引きが明示されていないため「不確実性がある」（グーグル幹部）が、同社は21年に使用料を払う意向を示してドイツなどで先行実施したという。今後、契約のための窓口を設けることにより、各国の報道機関との交渉を加速させたい考えだ。

世界各地で新聞社など報道機関の経営が悪化する一方、グーグルやメタ（旧フェイスブック）といった広告を主な収益源とする米IT企業は成長を続け、両者の関係が悪化していた。著作権法の改正を働きかけるなど報道機関がIT大手への締め付けを強めるなか、IT各社は記事使用料の支払いを前提とした新たなサービスを始めるといった懐柔に動いている。
2022年5月12日 9:54
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN120R20S2A510C2000000/