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【派遣】「ピンハネ」が、日本を貧しくしている。
- 1 :ノチラ ★:2018/06/29(金) 16:21:16.42 ID:CAP_USER.net
- 懸案の「高度プロフェッショナル制度」を含む労働基準法改正案、28日中に参議院厚生労働委員会で採決されるかどうかで、与野党の攻防が激化しています。
この記事が皆様の目に入るときどのような状況になっているか、なんとも言えません。
年収・職種などの要件が適合する労働者については残業代を支払わなくてもよいなど、労働基準法の適用除外を作る制度ですが、非正規雇用が進み労働環境の問題が多々指摘される今の日本において、労働規制を緩和する方向の労働基準法改正が本当に正しいのか、疑問が持たれています。
現在の日本の労働環境の悪癖のひとつが「ピンハネ」です。
私は元IT技術者であり、多重請負という、ピンハネと言われても仕方がないような労働環境で長らく働いてきました。
また多重請負は建設業界でも同様の課題であり、建設契約を頻繁に行う自治体にとっても他人事ではありません。
今回は、この多重請負の問題を論じてみます。
ちなみにアイキャッチ画像は、「ぱくたそ」のモデル・段田隼人さんによる「本番サーバー rm -rf / しちゃった」です。
段田隼人さんのこのセンス、超好きです^^
生産性の上がらない「多重請負」
多重請負の構造についてご説明しておきます。
これはIT業界を念頭においていますが、建設業界でもほぼ同様の構造があろうかと思います。
http://static.blogos.com/media/img/79684/free_l.jpg
システム開発をしたい発注元が、大手IT企業A社に発注をします。
しかしA社では、開発に必要な人員を常には抱えていません。
専門職はコストが高い上に、「その専門性が必要なとき」以外は役に立たないので、できるだけ手元に抱えておきたくないのです。
そこでA社は、他社に声をかけて技術者を調達します。
http://static.blogos.com/media/img/79685/free_l.jpg
本来、他社と契約して人材を派遣してもらうのは派遣契約であるべきですが、よりコストを削減するため「業務委託契約」によって「人貸し」をすることが常態化しています。
本当に専門性が高いプロフェッショナルと業務委託契約を行うことは、顧客に対するメリットを提供することになるため、一概に否定はできません。
しかしそうではない、単なる「人貸し」で「人材調整弁」にしているケースが非常に多いのが実状です。
このような構造は、どのような問題をもたらすのでしょうか。
(1) 実際に働く技術者に、十分な給料が渡されない
これは、上図を見れば一目瞭然。
会社がひとつ挟まれば、そこで当然「中抜き」が起こります。
4次受け・5次受けなんてことになれば、いったいどれだけ「中抜き」されることか。
ネットで見かけた事例では、発注元に提示された月単価が100万円の技術者が、実際に受け取っている手取り給料が20万円台だった、といった事例も目にしました。
こんな状態ではモチベーションも上がらないし、この会社・このプロジェクトに長く貢献しようという気も起こらないでしょう。
それは結局、成果物のクオリティにも影響するでしょう。
(2) 労務管理が曖昧になりがち
発注元は、上図の構造で常駐してくる技術者に直接指示を出してはいけません。
発注元はA社と開発契約をしているのであり、技術者の管理はA社の責任です。
(しかし実際には、発注元が手元にいる技術者に指示をしている「偽装請負」も多々あると思われます)
つまり発注元としては、技術者がどれだけ長時間労働していようが、関知するところではないわけです。
しかし、A社も業務委託契約で下請けから人材を調達しているので、実はA社も労務管理をする責任はないことになります。
そうすると、労働基準法が守られているかどうかって、どこで見ているんですか?という状態に容易に陥るわけですね。
(3) 報酬と成果物のクオリティがリンクしなくなる
ここが、件の「高度プロフェッショナル制度」とかかわってくるところです。
A社は、開発契約によって契約金額を決め、成果物によって発注元から売上を立てます。
しかし、人材を供出しているB社〜G社は何によってA社から売上を立てるかというと、
「技術者一人あたり単価 × 時間」
で売上を立ててるわけです。
単純に、技術者が働いた時間が売上に換算されるのです。
ここが超重要。
B社〜G社の立場としては、当然技術者の労務コストを払わなければなりません。残業すれば残業代を出さなければなりませんし、有給だって取らさなければなりません。
http://blogos.com/article/307660/
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