【情シス】Office 365からグーグルに乗り換えた不動産会社、なぜなのか

ノチラ ★

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不動産業のオープンハウスは、Office 365の利用をやめ、グーグルのG Suiteに乗り換えた企業である。同社はOffice 365利用当時、PCで使うOutlookでのメールの使い勝手が良いと評価していた、一方で同社は、メールの通数とサイズの大きい添付ファイルが多く、メールボックス容量に上限があるOffice 365はニーズに合わなかった。

導入時期 2011年
利用していたサービスと用途（※） Exchange Online：メール
利用人数約700人（2014年12月時点）
良いと感じた点 PCのOutlookから利用しやすい
悪いと感じた点自社の用途だとメールボックス容量が不足

オープンハウスがOffice 365を利用していたのは2011年から2015年までの約4年間。それ以前はレンタルサーバーを利用してWebサーバーとメールサーバーを同居させる形で運用していたが、メールの数が増えてサーバーの動作が遅くなるなどの影響が出始めたため、移行を決めた。

　管理本部情報システム部クラウド推進グループ主任の会見春香氏は、「メールは重要なので、メールサーバーがダウンしたら困る。このため信頼できそうな事業者を探し、マイクロソフトのExchange Online（当時の名称は「BPOS」）に乗り換えた」と説明する。

　同社が選択したのは、メールだけを使えるExchange Online プラン1。グループウエアは別途、サイボウズのクラウドサービスを利用していた。Officeアプリケーションについてはボリュームライセンスで購入しており、BPOSもPC版のOutlookから利用していた。

当時の満足点は、Outlookからの使い勝手が良かったこと。メールの編集やメールデータの保管がしやすかったという。

　メールはサーバー上には残さず、PCにダウンロードして読み書きしていた。同社の業務では、図面のやり取りが多く発生する。このため大きなサイズのファイルが添付されたメールが多く、Exchange Onlineのサーバー側に残していると、早期にメールボックスの容量不足に陥ると考え、PCに取り込むことにしたのだ。

　Exchange Onlineは、メールサービスが利用できずに困ることもなかったという。

　オープンハウスがOffice 365からG Suiteに移行することになったのは、そうした対処策にも限界があったためだ。

　PCにメールをダウンロードしていると、Exchange Onlineのメールボックスの使用量は抑えられる一方で、PCのストレージを圧迫していく。かといってメールをサーバーに置く使い方に変えると、やがてメールボックスは一杯になる。つまりOffice 365で提供するメールボックスの容量は、同社のメールの使い方には合っていなかったのだ。

　こうした状況を受けて同社では、2015年3月にOffice 365をG Suiteに乗り換えた。G Suiteは早期から、容量無制限のメールボックスを提供していたことが大きかった。

　同社は認証基盤としてActive Directoryを導入済みだったので、Active DirectoryとG Suiteを連携させる「Gluegent Gate」と呼ぶ製品も導入した。「これでActive DirectoryとG Suiteの認証サーバーを別々に構築せずに済んだ」（会見氏）。

Office 365から移行したG Suiteでは、メールをWebブラウザーで閲覧する。「個人でGmailを使っていた人もいたためか、説明しなくても使えている」（会見氏）。メールとカレンダーの連携のしやすさ、標準で容量無制限のメールアーカイブ機能が標準で付いている点も良いという。

　ストレージサービスのGoogleドライブが容量無制限という点も大きい。またグーグルはファイルサーバーのように使える容量無制限のストレージサービスである「Team Drive」を投入しており、これも社内に普及させたいという。
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