【飛行機】米、機内持ち込み制限拡大も　欧州路線で検討

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2017/5/19 1:26
　【ブリュッセル＝森本学】米欧航空当局は17日、パソコンなどの機内持ち込み禁止を米欧路線に拡大するかどうかを巡って協議を始めた。
米国はテロ対策の目的で中東などと結ぶ路線で３月に禁止措置を導入し、これを欧州にも広げたい意向を掲げる。欧州側はビジネス客への影響を懸念しており、
調整は長引く可能性がある。

　米国は３月、中東と北アフリカの10空港から米国に向かう航空便を対象に、パソコンやタブレット（携帯情報端末）など携帯電話より大きい電子機器の客室への
持ち込みを禁止した。米国へ持ち運ぶ場合は、より検査の厳しい預け入れ荷物とするよう義務づけた。

　米国土安全保障省は11日、米主要航空会社や業界団体との会合で禁止措置の欧州空港への拡大に言及した。突如浮上した規制拡大を懸念し、
欧州連合（ＥＵ）の欧州委員会は同日、即座に協議を求める書簡を米側へ送付。17日に米国土安全保障省のデューク副長官をブリュッセルに呼び、緊急の高官協議を開いた。

　協議には欧州から内務政策担当のアブラモプロス欧州委員と、運輸担当のブルツ欧州委員が出席。影響が大きいとみられる英国、フランス、ドイツ、オランダ、
アイルランド、スペイン、イタリアの代表者も参加した。

　約４時間に及んだ協議では、欧州側が米側に規制拡大を検討する理由などについて詳細な説明を要求するとともに、航空機テロの脅威や対処法を議論した。
会合後に公表した共同声明では、持ち込み規制の拡大には直接言及せず、航空保安策を巡って密接に連携していく方針を確認するにとどめた。来週に米ワシントンで改めて会合を開き、解決策を探る考えを示した。

　米側は規制対象の欧州などへの拡大について導入のメドなど詳細は現時点で示しておらず、不透明感が根強い。ただ実現すれば規制の対象が大幅に拡大し、
世界の航空業界へ影響を及ぼすのは必至だ。

　国際空港評議会（ＡＣＩ）によると、欧州では59空港が米国と直行便で結ばれており、１週間あたり3684便が飛ぶ。
米国の現行規制の対象である中東など10空港を出発する便の10倍超だ。ＡＣＩは米欧間の乗客の60～90％が携帯電話より大きい電子機器を機内に持ち込んでいるとも指摘。米の規制拡大は「甚大な混乱につながる」と警告する。

　米欧を結ぶ北大西洋路線は米国と欧州の双方の航空会社にとって、売り上げや利益の源泉になっている
。国際航空運送協会（ＩＡＴＡ）のドジュニアック事務局長は17日、テレビインタビューで欧州に規制が拡大されれば「乗客に、10億ドル（約1110億円）を
超えるコスト増を強いることになる」と語った。ビジネス出張客が機内で仕事ができなくなり、生産性が大きく落ち込むなどの影響を懸念している。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM18H79_Y7A510C1FF2000/

【飛行機】米、機内持ち込み制限拡大も 欧州路線で検討

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