【自動運転・ライドシェア】グーグル系自動運転ウェイモ、米相乗り大手と提携

ののの ★

2017/5/16 0:49

【シリコンバレー＝小川義也】米グーグルの自動運転車開発部門ウェイモとライドシェア（相乗り）大手の米リフトは14日、
自動運転技術の研究や製品開発で提携すると発表した。
リフトは米国の配車仲介では米ウーバーテクノロジーズに次ぐ規模で米ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）も出資する。
ライドシェア各社が合従連衡の新たな軸として存在感を高めている。

　ウェイモは４月下旬からアリゾナ州フェニックスで、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ（ＦＣＡ）と共同開発した
自動運転車を使った試験サービスを始めている。こうした取り組みにリフトが協力することなどを想定しているとみられる。

　ウェイモの広報担当者は日本経済新聞の取材に対し、「都市交通の改善を目指すリフトのビジョンとコミットメントは、
ウェイモの自動運転技術をより多くの場所で、より多くの人々に届ける上で助けになる」とした。

　米300都市でサービスを展開するリフトも声明で、「ウェイモと協業することで、世界で最も優れた交通サービスを提供し、
人々の生活をよりよくするという共通のビジョンの実現を加速できる」と述べた。

　リフトにはＧＭが５億ドル（約560億円）を出資して取締役を派遣している。ウェイモはＦＣＡのほか、ホンダと提携関係にある。
リフトを通じて間接的につながったＧＭと協業する可能性も出てきた。

　リフトは米国外での同業他社との提携戦略を積極的に進めている。アジアではグラブ（シンガポール）や滴滴出行（中国）などと配車アプリの相互利用で提携。
ウェイモにとってはアジア進出の足がかりにもなりうる。

　ウェイモは２月、同社の自動運転技術を盗んだとしてウーバーをサンフランシスコ連邦地裁に提訴した。
同地裁は今月11日、ウーバーに自動運転車開発の一部差し止めを命じた。ウェイモとリフトの提携はウーバーにとって打撃となりそうだ。

　自動運転車を開発する企業の間では、ライドシェア企業との提携が相次いでいる。
トヨタ自動車は16年、ウーバーとの資本・業務提携を発表。同年、独フォルクスワーゲンは配車アプリ「ゲット」（イスラエル）に出資した。
独ダイムラーや独ＢＭＷもライドシェアやカーシェア分野への投資に積極的だ。

　異業種間の連携が相次ぐ自動車産業で、ライドシェア各社が再編の新たな主役になりつつある。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16436410V10C17A5TJ1000/