【小売業】アメリカに押し寄せる大規模店舗閉鎖の波　多くのショッピングモールが閉鎖を余儀なくされる時代に

海江田三郎 ★

https://www.businessinsider.jp/post-181

（編集部注：この記事の内容は執筆時点のものです）
小売業者たちは、新年早々にやってくるであろう店舗閉鎖の波に備えている。
アナリストによると、買い物の仕方の傾向がオンラインへと移行し続けていることやショッピングモールへの客足減少などから、
業界は店舗スペースがあり余る状態へ突入しているという。

「2017年は厳しい年となるだろう」と、モーニングスターのRJ・ホットビー（Hottovy）氏は指摘する。
多数の店舗閉鎖に加え、翌年は多くの小売業者が破産申請をするであろうと彼は予測する。
Macy's、Kohl's、ウォルマート、シアーズなど、ほぼすべての百貨店がここ数年の間で何百店舗も閉店し、
不採算店舗の損失や拡大する電子商取引からの売り上げロスに歯止めをかけようとしている。
しかし、店舗閉鎖にまだ終わりは見えない。
メイシーズはすでに、2017年には100店舗または輸送網の約15％を閉鎖する予定であると発表。
シアーズは4月までに少なくともシアーズとKマート30店舗を閉めることになっており、さらに追加発表も予測されている。
CVSも今月70カ所での閉店を予定していると発表した。
5月に破産申し立てをしたエアロポステール（Aeropostale）や、アメリカンイーグル（American Eagle）、チコス（Chicos）、
フィニッシュライン（Finish Line）、メンズウェアハウス（Men's Wearhouse）、チルドレンズプレイス（The Children's Place）などの
ショッピングモール系の店舗も、閉鎖計画の渦中にある。

今後、数カ月間でこのような閉鎖報告がさらに増えると推測される。
年始めにはよく店舗閉鎖が公表される。2010年以降、年間の閉店発表の半分近くが第1四半期に行われてきていると、CNBCは報告する。
店舗に加え、小売業者たちは展開範囲の縮小も見据えている。

「賃貸借契約の都度、所有面積が少ない店舗へ徐々に転換していくだろう」と、ホットビー氏は言う。昨今の閉鎖にも関わらず、
アメリカの店舗はそれにしても飽和状態だ。
モーニングスターの10月の報告によると、カナダの16.4平方フィート（約1.5平方メートル）と
オーストラリアの11.1平方フィート（約1平方メートル）に比べ、アメリカは23.5平方フィート（約2.2平方メートル）であり、
国民1人あたりに対する売り場面積の割り当てがトップである。
「アメリカの小売業全般において、スペースも店舗数も多すぎるのだ」と、小売業コンサルティング商会ConluminoのCEO二ール・サンダース（Neil Saunders）氏は語る。
「買い物の傾向が変わり、これらの店舗は不適切な規模や配置で、誤った場所に存在しているのだ」
閉店が相次ぐにつれ、多くのショッピングモールが閉鎖を余儀なくされていく。

シアーズやメイシーズのような大型店の閉店は、業績が悪循環へ陥る引き金となる、とモーニングスターのアナリストは10月のレポートに報告。

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