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【エネ】「水素」 に期待するのはやめよう

1 :海江田三郎 ★:2016/09/07(水) 09:46:15.60 ID:CAP_USER.net
http://blogos.com/article/188377/

ちょっと宿題になっていた話です。
再生可能エネルギーはもう終わり(日本では)回答編
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20150909/1441799763
現在、トヨタのMIRAIが登場して以来、水素社会がなんちゃら?のような水素をエネルギー源として期待する動きがあります。
国も都もオリンピックへ向けての目玉政策として盛り込んでいたりしますね。

私のところでも、水素燃料電池や水素供給インフラを含めた研究開発の話が舞い込んできたりしています*1。
ですが、私としては、この「水素社会」というものは、壮大な失敗に終わる可能性が高いのではないか、と思っております。
もちろん、このへん、実名では云えませんので(仕事の愚痴を兼ねて)ここらで述べさせて頂きましょう。
まず、最初の誤解なのですが、「水素」自体はエネルギー源ではありません。水素が自然界にそのまま大量に存在するわけではありませんから、
なんらかのエネルギー源を使って水素に単離する必要があります。水素はエネルギー源ではなく、エネルギーを運び蓄える「媒体」なのです。
ですから、「水素」の利用に対しては、他の「媒体」との利便性について比較することになります。
一般にエネルギー「媒体」として最も優れているのが「電気」です。電気に比べると水素は輸送でも使用効率でも遥かに劣ります。
その「水素」をわざわざ媒体として利用するメリットがあって始めて意味が出てきます。
そして、燃料電池は媒体としての水素と電気をやり取りする仕掛け、なのです。

その観点から考えると、ミライなどで利用されているPEFC(高分子電解質型燃料電池)は効率が高くありません。
電力への変換効率はざっと30?40%程度、大部分は低温(90℃程度)の熱として捨てられてしまいます。
エコファームのような家庭設置型の燃料電池では排熱も給湯や暖房として利用価値があります。
ですので、「総合効率」というような事が云われるのですが*2、電力しか利用価値の無いFCV(燃料電池車)の場合、ムダになるエネルギーが多すぎます。
また、水素を作り出す段階でもエネルギーのロスがあります。現在、最も安価で大量に水素を作り出す方法は天然ガス改質ですが
この改質の段階で天然ガスの持つエネルギーを全て水素に移す事は出来ません。推測ではありますが、
FCVのトータルでのエネルギー効率は、ガソリン車とトントンでしか無いでしょう。

再生可能エネルギーによる水の還元による水素生産が可能になれば状況は幾分か変わりますが、
この場合はわざわざ水素にする意味が少なくなります。水素に変えるメリットとは何か、それは、貯蔵という点です。
FCV開発に取り組む企業の多くが、航続距離がEV(電気自動車)に比べて長距離走れる事をうたいます。
現在、EVの一回の充電での航続距離は200?300kmというところです。これでは長距離のドライブに出掛けたときに充電が必要なのか、
または充電ポイントはあるのかとか、充電時間が掛かるのかといったユーザーの不安ゆえにEVが一般的にならないだろう、と考えられ、
それがゆえにFCVへの期待が膨らむわけです。FCVでは一回の水素充填で700?800kmほどの航続距離と、
充填時間が短いことが利点とされます。欠点は水素ステーションが未だ整備されていないことで、政府の重点政策でも水素ステーションを増やす事がうたわれています。

ですが、その水素のメリットが、昨今の技術トレンドから疑わしいものになっており、それが私が「水素社会」に懐疑的な理由なのです。
というのも、電池性能の向上は著しく、エネルギー密度、容量共に現状の2,3倍が視野に入ってきています。
つまり、一回の充電で500?700km程度の航続距離は可能になるわけです。こうなると、一般的なドライバーにとって充電は問題とならなくなります。
1日でそれほど長距離運転するケースは稀ですから、常時は家庭で充電を行ない、長距離運転が必要な場合は充電ポイントで充電すれば良くなります。
また、容量が大きくなると充電に時間が掛かる満充電が必要無くなり、急速充電で時間を短縮できる容量範囲で充電しても用が足りるようになります。
こうして航続距離を延ばしたEVは、現在の自動車とはまったく違った存在になるでしょう。というのもEVは部品点数が極端に少ないからです*3。
簡単に云ってしまえば、動力部は電池とPCU(パワーコントロールユニット)、モーターがあれば良くなります。

2 :海江田三郎 ★:2016/09/07(水) 09:46:22.83 ID:CAP_USER.net
内燃機関に必要な可動部品などはほとんど必要ありません。PCUはエンジンなどに比べて制御が容易ですから、
極めて単純な構成が可能で、自動運転やネット接続と相性が良い。つまり、EVはエンジンをモーターで置き換えた自動車、ではなく、EVという新しい乗り物なのです。
FCVはEVのようになることは出来ません。燃料電池ユニットの制御はエンジンと比べても難しく、部品点数も多く、部品も特殊です。

電池性能と自動車車体素材の開発が進展した場合、FCVはEVに到底及ばない遅れたものになるでしょう*4。
このあたりは日本の電気自動車、日産リーフや三菱のiMIEVを見ても判りません。あれらはエンジンをモーターに置き換えた自動車に過ぎないからです。
EVという新しいもの、その片鱗を伺わせるのが、BMW社のi3とi8、そしてテスラ社の各モデルです。

これらは極めて単純な構造を取っており、使う素材まで変わってきています*5。
テスラ社のイーロン・マスクは再三HVやFCVを否定するような主張を行っていますが、それは、EVがどのような存在になるか明確なビジョンを持っているからでしょう。
マスクCEOは先月米ミシガン州デトロイトのオートモーティブ・ニュース・ワールド・コングレスで、水素を車に使用しても未来はないと考る理由を詳細に説明した。
「電気分解はエネルギープロセスとして非常に効率が悪い。例えば、太陽電池パネルを使えば、そこから電気を作り出して直接バッテリーパックに充電できる。
これに比べて電気分解は、水を分解して水素を取り出し、酸素を放り出し、水素を非常に高い圧力で圧縮し(またはそれを液化して)、
その後、車に取り込んで燃料電池として使用する。これは効率としては半分以下であり実にひどい。どうしてそんなことをするのか? 意味がない」と同氏は語った。

現状の技術トレンドを考えた場合、FCVは確実にEVに敗北します。
少ない部品点数、構造の単純化、製造工程の簡素化、自動運転・ネット接続の容易さ、どれを取ってもFCVに勝ち目はありません。
日本の「水素社会」はFCVが鍵になっています。FCVが必要無ければ、わざわざエネルギー媒体を水素にする必要がない。
電気は電気のままの方が扱いは容易です。燃料電池もSOFCなら水素でなくても大丈夫です。再生可能エネルギーの不安定さを制御するために
「Power to Gas」ということは考えられますが、その場合は水素社会というようなレベルのものは必要ありません。
そもそも、EVへの変化、自動化の進展が進むと、いわゆる「シェアリング・エコノミー」の代表格であるカーシェアリングが
一般的になる、という意見もあります。このような進歩は、自動車を製品として販売する自動車会社の存在から、
社会インフラとしての交通サービスの提供、というものへ主体変化を促すことになるでしょう。

この変化は、いわばパソコンからスマホ(つまり、インターネット端末)への変化と重なるものです。パソコンというものに拘って、
追いつけなくなった日本の家電メーカーと自動車会社は相似形です。
原子力政策でもそうなのですが、日本の技術開発方針はあまりにビジョンが無いか、そのビジョンを適切に考慮する努力を怠っており、
さらに多様な技術や社会条件を適切に結び付けてモデル構築することが出来ません。
私には、将来に渡って水素社会が来るとは思えません*6。考え直すべき時では無いでしょうか。

では。
追記
私自身は、飯のタネである研究開発の観点を除けば、そもそもクルマ*7という存在自体に否定的なので、ここからも「水素社会」にはカラくなってしまいます。
前々から「自滅する地方」シリーズで述べているように、
・街をコンパクトにして、クルマを使わないようにする
・移動は徒歩を基準に、コミューターとしては自転車、長距離は公共交通機関が担う
のが良いのでは、と考えております。
例えば、自転車なら電動アシスト自転車という進化形もありでしょう。電池や電力制御技術、素材開発の進展は、
EVよりも電動アシスト自転車の方に恩恵があります。また、EVも自動化もバスの方が容易に実用化できるでしょう。
二重の意味で「水素社会」は的外れだろう、と思います。

3 :名刺は切らしておりまして:2016/09/07(水) 09:48:37.29 ID:7DJ2Il3a.net
100年後もガソリン車がまだまだ主役だよ

4 :名刺は切らしておりまして:2016/09/07(水) 09:48:49.46 ID:O9M3Vk/b.net
>>1
テスラの工作員乙

5 :名刺は切らしておりまして:2016/09/07(水) 09:51:43.83 ID:auMETcX+.net
どっちも電気自動車だろ
バッテリーの方式が違うだけで
充電速度で言えば水素の方に分があるよ
結局ガソリンには勝てないけど

6 :名刺は切らしておりまして:2016/09/07(水) 09:55:05.11 ID:XOxvTE0B.net
水素とか電気自動車って事故ったとき
ガソリン車と比べて危険はどうなんだろう
爆発とかするのか

7 :名刺は切らしておりまして:2016/09/07(水) 09:55:24.00 ID:oqX3yEoZ.net
水素自動車なんてガソリン車より高いし、充てんする場所も少ないし、
大半の一般消費者から見て乗り換えるメリットが皆無。

8 :名刺は切らしておりまして:2016/09/07(水) 09:55:35.08 ID:4zW3VH3n.net
 テスラの経営者じゃないけど、バッテリーが強化されたら、水素は用無し。

 分っているのに、なぜ水素社会とかバカみたいなことを言い出すんだろう。

 水素は爆発するし、圧力ボンベで運搬は重いし。

9 :名刺は切らしておりまして:2016/09/07(水) 09:57:14.69 ID:FRQMEMn3.net
電池性能が上がっても大電力を電池に短時間で効率的に充電する方法が結局ない
大規模な施設になっちゃうよ 家で夜間長時間充電だとすると原発が大量に必要になる

10 :名刺は切らしておりまして:2016/09/07(水) 09:57:34.09 ID:3BfF2ToC.net
水素水も便乗中

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