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【経営】富士フイルムとコダックの差 「コダックの強みは写真フィルム」という考え方から抜けだせずに倒産

2 :海江田三郎 ★:2015/08/30(日) 10:22:48.02 ID:???.net
化粧品市場に活路
 それら新規事業のひとつである「医療・ライフサイエンス事業」での取り組みの例を挙げよう。
松田聖子さん、小泉今日子さん、中島みゆきさん、松たか子さんといった大物歌手や女優が登場する、
赤を基調とした広告とパッケージが印象的な化粧品「アスタリフト」をご存じだろうか。このアスタリフトは、
富士フイルムが同事業において立ち上げた新規事業だ。
 実は富士フイルムが持っている十数個の基盤技術のなかで、化粧品市場に生かせる技術があった。
 1つめはコラーゲン技術だ。写真フィルムはコラーゲンでできている。肌の張りを保つのにもこのコラーゲンは必要だ。
2つめは抗酸化技術。写真の色褪せを防止する抗酸化技術は、肌の老化にも有効だった。3つめはナノテクノロジー。
カラー写真フィルム技術で培ったナノテクノロジーを活用すれば、化粧品を肌になじませることもできる。
 化粧品市場でこれらの富士フイルムが持つ技術上の強みを必要とする顧客は、「シワやたるみ、日焼けによるシミ・くすみを防止し、
肌の張りを瑞々しく保ち、いつまでも若々しい肌を保ちたい」という課題を持っている30?50代の女性だ。

当たり前のことを愚直に実行
 そこで富士フイルムは、アンチエイジング化粧品として、このアスタリフトを開発したのだ。まとめると、次の表のようになる。
 いかがだろうか。「自社の強みを見極める」「その強みを必要とするお客様を見極める」
「そのお客様の課題を見極める」「お客様が自社を選ぶためには、どうすればいいか考える」――。一見、何も目新しくはない。
言い尽くされており、むしろ陳腐化している言葉といってもいい。
 しかし、真実は言い尽くされた言葉の中にあることも多いのだ。この言い尽くされたことを実行しようとしない企業や人も多い。
そして成功する人や企業は、言い尽くされたことを愚直に実行しているのだ。
 実はコダックは、1988年に巨額を投じて製薬会社を買収するなど、むしろ富士フイルムよりも先手を打って様々な多角化事業を積極的に進めてきた。
しかし当時は本業の写真フィルム事業が好調だったこともあり、富士フイルムと比較して多角化意欲が薄かった面は否定できない。
事実、1988年に買収した製薬会社も1994年に売却している。タイミングの違いはあるものの、両社の危機感の差からわれわれが学べるところは大きい。
 コダックが破綻し、富士フイルムが生き延びたのも、自社の強みを見極め、その強みを必要とする顧客と課題を見極め、
リアルな顧客で検証し続けるという当たり前のことを、危機感を持って愚直に実行したからだ。
 ビジネスに「魔法の絨毯」は存在しない。常に危機感を持ち続け、当たり前のことを当たり前に行うことこそ、王道なのである。
(文=永井孝尚/ウォンツアンドバリュー株式会社代表)

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