【マネー】いよいよ「バブル相場」がやってきた？　「Ｗｅｅｋｌｙオプション」導入の影響も

海江田三郎 ★

http://shikiho.jp/tk/news/articles/0/70896/1

?先週の日本市場は非常に強い相場展開となった。金融政策が現状維持で下落した
先月の金融政策決定会合の後とは違い、先週金曜の政策決定会合の内容発表後も失望感から売られることもなく、
堅調な地合いが続いている。週明けの26日も、日経平均株価は142円高の2万0406円と続伸して、
２０００年4月以来、約15年1カ月ぶり高値で取引を終えた。足元の景気が上向いてきたということで、
追加緩和期待より景気回復期待が高まっているということだろう。

?まだまだ、「金融相場」から「業績相場」に移行するには早いのだろうが、
投資家の気持ちはすでに「業績相場」なのかもしれない。00年のＩＴバブル相場では日経平均の銘柄入れ替えをきっかけに急落となり
「ゼロ金利政策」解除で下落が決定的となった。また、07年の新興国バブル相場では、
前年６月の「ゼロ金利政策」解除にみられたような世界的なリスク許容度の低下が急落の遠因となった。
それらを考えると、現在は足元の企業業績や消費の回復がどこまで「本当」なのかの見極めどころということになるのだろう。

「Ｗｅｅｋｌｙオプション」が導入開始
?しかし、日銀の追加緩和期待が後退したといっても、すぐに「ゼロ金利政策」解除となるわけではない。
米国が利上げを検討し、欧州では金融緩和が継続されるなかで、日本市場では金融政策の株価への影響をどのように見ていけばいいのだろうか？
?足元では株価が上昇していることで、景気が回復するという雰囲気が醸し出されている面もある。
期待先行で上昇した株価が調整となった局面で、はたして業績回復期待からしっかりと買い戻せるかどうかが気になるところだ。?
?今秋には日本郵政が上場し、５年後には東京オリンピックも予定されている。昨年末にこのコラムでも述べたが、
やはり今年は「バブル」が続くということになりそうだ。
?業績や金融政策で懸念が薄れている中、25日から日経２２５オプション取引で毎金曜日に満期日を迎える
「Weekly?オプション」の導入が始まった。これまで日経平均の派生商品（デリバティブ）が新たに登場した時や
取引の変更時には指数が大きく上昇するケースが多かったが、今回はどうだろうか。
?そもそも、「原資産（＝現物）」から派生してできたのが「派生商品」。派生商品が取引されるようになれば、
現物の価格形成への影響が少なからず生じる。過去を振り返れば、
1988年９月から取引が始まった今の「日経平均先物」が相場を大きく変化させた。
その後の89年６月から始まった「日経平均オプション取引」は、さらに株価バブルの上昇を加速させた側面もある。

また、06年７月からは「日経平均先物mini」の取引が開始され、新興国バブルの相場を後押しした格好となった。
11年７月の日経平均先物の夜間取引の開始は、米国株式市場をみながらの取引をある程度可能にし、
米国金融緩和（QE）に関連しての米国株高の影響を日本市場に伝えたという面もある。

新たな買い手が増える？
?派生商品が取引されるようになると、現物の売買が活発になる。というのも、これまでの市場参加者に加えて、
新たに派生商品で現物のヘッジやアービトラージ（裁定取引）などをしよう参加者が増えるからだ。
そうした取引によって現物の価格変動が激しくなる可能性がある。

?先週の株価上昇の一因はこの「Weekly?オプション」に絡む動きということも考えられる。
新たな波乱要因とみてもいい。これまでも最終売買日を迎えるオプションの期近商品のSQ(特別清算指数)が毎月算出されると、
それに絡んだ先物や現物の売買が行われて価格形成に一定のインパクトを与えていた。
毎週、SQが算出されるとなれば、その影響は小さくないだろう。

?今回の上昇局面が「バブル相場」で、参加者の多くが強気にみていくということであれば、
上昇のバイアスがかかることになる。となると、指数に影響の大きな銘柄の値上がりに寄与する可能性もありそうだ。
日経平均採用で、かつ指数に影響の大きな銘柄の動きについていくという戦略を取るのが有効かもしれない。

【マネー】いよいよ「バブル相場」がやってきた？ 「Ｗｅｅｋｌｙオプション」導入の影響も

【マネー】いよいよ「バブル相場」がやってきた？　「Ｗｅｅｋｌｙオプション」導入の影響も