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【エネルギー】地熱発電はなぜ日本だけ停滞したのか

1 :海江田三郎 ★:2015/05/12(火) 10:50:41.91 ID:???.net
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takahashimariko/20141015-00039960/

日本は火山国だ。ということは地熱資源が豊富な国である。実際、火山の数では米国(160)、
インドネシア(146)、日本(119)の順で世界第3位、地熱の資源量も第3位だ。
ところが、地熱発電量では世界8位に沈んでしまう。しかも、日本の地熱発電量は1997年をピークに減少し、
発電の認可出力は横ばいが続いて、この間は「眠っていた」と言われている(下図)。
同じ時期にインドネシアやフィリピン、アイスランドなどがどんどん地熱発電所を増やしてきたのとは対照的だ。

ここへきてようやく、温泉地での小規模な「温泉発電所」が増え始めた。
福島原発事故が、地熱発電の眠りを覚まさせたのである。だが、目は覚ましたものの、
まだ布団の中でぐずぐずしている状態と言っていい。なぜなのか、日本にある豊かな資源がなぜ利用されないのか。
福島原発事故後、ずっと気になっていたことを考えてみる。
日本の地熱発電は1960年代に始まり、90年代前半までは発電設備容量がまずまず増えてきた。
ところが、そこからピタッと開発が止まってしまう。世界はといえば、増加スピードはまったく衰えず、
むしろ2005年以降は増加スピードがあがっている。日本は完全に世界の流れに取り残されているのである。
地熱発電の長所ははっきりしている。まず安定していること。ほかの自然エネルギーが昼夜や季節で大きく変動するのに対し、
地熱は変動がほとんどない。設備利用率も高い。2009年の実績だと地熱は72%で、
原子力発電所の71%とほぼ同じだった。季節変動や日内変動が避けられない風力では約20%、
太陽光では約12%の設備利用率になる。そして、二酸化炭素排出量が極めて少ない。
発電機作成段階も含めたトータルの排出量(ライフサイクルCO2排出量)は、
中小水力発電についで地熱が少ない(電力中央研究所調べ)。つまり、二酸化炭素を出さないという点では原子力より上なのだ。

にもかかわらず、日本では地熱発電が増えなかった。理由として「コストが高い」
「地下のことは掘ってみないとわからないので、開発リスクが大きい」「地熱資源の8割以上が国立公園内にあり、開発できない」
「温泉事業者の理解が得られない」といった点が指摘されてきた。
東日本大震災のあと、地熱発電に対する規制をゆるめるべきだという世論が盛り上がり、
環境省は2012年3月に国立・国定公園の中でも第二種、第三種特別地域では
「優良事例」に限って開発を認めると打ち出した。核心部の特別保護地区とそれに準ずる第一種特別地域を除いた場所は、
「開発禁止」から「相談に応じる」へ変わったわけである。
一方、温泉事業者の理解については、地下の蒸気をそのまま使ってタービンを回す「蒸気フラッシュ発電(蒸気発電)」と、
そのままでは使わない「温泉発電」で様相が違ってきた。
蒸気発電は、200度C程度以上の蒸気・熱水が出るところに設置される。発電効率が高く、大型化も可能だ。
ところが、近くに温泉街があると「温泉が枯れる」という反対運動が起きやすい。自然保護団体も大型発電所には批判的だ。

それに対し、温泉発電は、温泉蒸気でタービンを回して発電するのではなく、温泉水で沸点の低い液体を蒸気にする。
別の液体を蒸気にするためだけに温泉水を使うわけである。温泉水と別の液体の2種類を使うので「バイナリー発電」とも呼ばれる。
これだと100度C未満のお湯でも使えるし、温泉水は減らない。温泉水に注目すれば、
くみ上げたあとに発電のために少しさまして温泉街に届けるというイメージだ。この方法なら温泉事業者の反対はあまり出ない。

実際、今年に入って大分県や長野県など各地で温泉発電所が続々誕生しつつある(左図)
2012年7月から再生可能エネルギーを電力会社が固定価格で買い取る制度(フィード・イン・タリフ=FiT)が始まったことが大きく影響している。
「1キロワット時40円」で買ってもらえるので、採算をとりやすくなった。
福島市の土湯温泉では、400キロワットの温泉発電所を来年7月に稼働させる予定で作業を始めている。
今年6月に建設予定地を訪れると、山道が少し谷側に張り出したところで、源泉くみ上げの装置が動いていた。
一見して「狭い」と感じる。そこにおさまるほど、温泉発電の装置は小規模だということだ。

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